2016年3歳クラシック
Sportivaオリジナル番付(牡馬編:第2弾)

 昨年末の12月20日、2歳牡馬チャンピオンを決めるGI朝日杯フューチュリティS(阪神・芝1600m)が行なわれた。勝ったのは、新馬を勝ち上がったばかりのリオンディーズ(牡3歳/父キングカメハメハ)。スムーズな競馬から絶妙な抜け出しを見せた1番人気のエアスピネル(牡3歳/父キングカメハメハ)を、あっさりと差し切るという衝撃的な強さを披露した。

 また、その翌週には牡馬クラシック第1弾の皐月賞(4月17日/中山・芝2000m)と同じ舞台でGIIホープフルS(12月27日)が行なわれ、こちらも1勝馬のハートレー(牡3歳/父ディープインパクト)が快勝。GIII新潟2歳S(2015年8月30日/新潟・芝1600m)を圧勝した1番人気ロードクエスト(牡3歳/父マツリダゴッホ)をねじ伏せた。

 さらに年が明けて、1月10日にはGIIIシンザン記念(京都・芝1600m)が、1月17日にはGIII京成杯(中山・芝2000m)が行なわれた。今回は、これらの結果と経過を踏まえて、牡馬クラシック戦線を占う3歳牡馬の『Sportivaオリジナル番付(※)』を発表したい。
※『Sportivaオリジナル番付』とは、デイリー馬三郎の吉田順一記者、日刊スポーツの木南友輔記者、独特なデータを駆使するパソコン競馬ライターの市丸博司氏、フリーライターの土屋真光氏、Sportiva編集部競馬班の5者それぞれが、今春のクラシックを目指す3歳牡馬の、現時点における実力を分析しランキング付け。さらに、そのランキングの1位を5点、2位を4点、3位を3点、4位を2点、5位を1点として、総合ポイントを集計したもの。

「正直、今年の3歳牡馬は超ハイレベル。こんな年もあるのでしょう。それだけに、各実力馬が互いに傷つけ合うことなく、またダービーで燃え尽きてしまうこともなく、ぜひ古馬相手の宝塚記念(6月26日/阪神・芝2200m)にも向かってほしいと思います」

 日刊スポーツの木南友輔記者がそう絶賛するほど、高い次元で激戦となっている3歳牡馬ランキングは以下のとおり。

 1位は、2歳王者に輝いたリオンディーズ。母が日米オークス馬のシーザリオ、半兄が菊花賞、ジャパンカップを制したエピファネイアという超良血馬が、早くもクラシック最有力候補に躍り出た。

市丸博司氏(パソコン競馬ライター)
「朝日杯FSは、GIIデイリー杯2歳S(2015年11月14日/京都・芝1600m)で世代最強と思えるような強いレースをしたエアスピネルがほぼ完璧な競馬を見せながら、それを1戦1勝のリオンディーズが差し切り勝ち。あのシーンは、昨年の2歳戦の"白眉"と呼べる瞬間だったのではないでしょうか。リオンディーズが見せた末脚は、それほど恐るべきものでした。まだまだ未知な部分もたくさんありますが、現状ではクラシックの最有力候補と言えるでしょう。血統からも、今後を見届けたい素質馬です」

吉田順一氏(デイリー馬三郎)
「まだ課題も多く、心身ともに子どもの状態でありながら、GIを勝ってしまえるのは、この血統特有の爆発力と底力に尽きます。トモと気性面の成長があれば、半兄のエピファネイアが成し遂げられなかった皐月賞&ダービー制覇も見えてくるでしょう」

土屋真光氏(フリーライター)
「朝日杯FSでは、マイル戦という距離適性でも上回るエアスピネルが、万全のレース運びで抜け出したところを、リオンディーズが並ぶまもなくかわして、楽々と差し切り。3着以下との差(4馬身差)を見れば、展開がはまったとは考えにくく、その地力の高さは相当なものだと思います。タイプ的には皐月賞は向かないかもしれませんが、この春のクラシックはこの馬を中心にして動いていくのは間違いないでしょう」

 2位は、リオンディーズと同じく2戦目で重賞制覇を飾ったハートレー。ホープフルSでは、重賞勝ちやオープン勝ちのある面々をまとめて撃破し、圏外から一気にランクインを果たした。

木南友輔氏(日刊スポーツ)
「ハートレーの新馬勝ちは、『東京での勝利』+『馬主=サンデーレーシング』+『鞍上=ライン・ムーア』という、昨年の2冠馬ドゥラメンテ(牡4歳)の未勝利勝ちを思わせるものでした。そのため、ホープフルSの勝利は予想どおりの結果でしたね。体形、走法は、昨年のクラシックを賑わせたリアルスティール(牡4歳)にそっくり。次走のGIII共同通信杯(2月14日/東京・芝1800m)でどんな競馬を見せてくれるのか、楽しみです」

市丸氏
「ホープフルSでは、新潟2歳Sで2着以下をぶっちぎった1番人気ロードクエストを最後まで抜かせずにゴールイン。その勝負強さは圧巻でした。タイムフィルター指数(市丸氏が独自に編み出したデータ指数)では、今のところホープフルSよりも朝日杯FSのほうが少しだけ高いのですが、今後の結果次第ではすぐにひっくり返るレベル。まったく予断を許さない状況です。そういう意味では、朝日杯FS、ホープフルSそれぞれの1位、2位、4頭の直接対決は、早く見たいような、見るのがもったいないような、そんなワクワク感を与えてくれています」

 3位に入ったのは、前回1位のスマートオーディン(牡3歳/父ダノンシャンティ)と、前回4位のシルバーステート(牡3歳/父ディープインパクト)。ともに前回のランキングからレースを使っていないため、注目された年末年始の重賞の結果を受けて、順位が上下動した格好だ。が、今回のランキング決定直後、衝撃のニュースが飛び込んできた。なんとシルバーステートが脚部不安を発症。クラシック参戦は絶望的と言えそうだ。

土屋氏
「スマートオーディンは、勝ったGIII東京スポーツ杯2歳S(2015年11月23日/東京・芝1800m)が鮮やかな競馬でした。父のダノンシャンティのポテンシャルに、さらに距離的な奥行きも感じます。リオンディーズと真っ向勝負できる"器"だと思っています」

木南氏
「東スポ杯2歳Sを快勝したスマートオーディン。2戦目の萩S(2015年10月31日/京都・芝1800m)は、直線まともに追えずの2着。粗削りですが、素質は本物です。ダービー2勝トレーナー(松田国英調教師)がクラシックまでどう組み立てていくのか、その手腕に期待しています」

 5位は、前回と同じくロードクエスト。ホープフルSではハートレーに屈したものの、大幅な評価ダウンとはならなかった。

木南氏
「ホープフルSは、後方からの競馬だった分、ハートレーに敗れましたが、内容は濃かったと思います。逆転の可能性は十分に秘めています」

市丸氏
「ホープフルSでは勝ち馬から1馬身半と、決定的な着差をつけられたようにも見えますが、およそ4カ月の休み明けで、初の2000m戦でした。そうした課題があったことを思えば、逆転の機会が訪れてもおかしくありません」

 ランク外では、前回3位のエアスピネル、2戦2勝のサトノダイヤモンド(牡3歳/父ディープインパクト)が続いている。

市丸氏
「エアスピネルは、このまま終わるような存在ではないと思います。ただ、距離が伸びてリオンディーズを逆転できるか、というと疑問符がつきます。これまで3戦、すべてマイル戦を使ってきているだけに、重要なのは次走。そこで、距離を伸ばしてどんな競馬ができるかがポイントになるでしょうね」

本誌競馬班
「サトノダイヤモンドは、話題の血統馬。2戦2勝のレースぶりも光っていて、未知の魅力を感じます」

 2月に入ってからも、きさらぎ賞(2月7日/京都・芝1800m)、共同通信杯と、クラシックに直結する重賞が続いていく。しかも、それぞれのレースに、話題の実力馬、注目の血統馬などがこぞって出走予定。いよいよ3カ月後からスタートするクラシックに向けて、どのレースも見逃せない。

text by Sportiva