空中殺法を得意とする覆面選手、マスカラ・ドラダ! 情報は少なく未だ謎に包まれた存在だが…

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年に1回の“ルチャの祭典”FANTASTICA MANIAが今年も開催される(1月17〜24日)。

新日本プロレスで2011年に始まり、ルチャドール(メキシコ人レスラー)を大量招聘し現地さながらの試合を観られるとあって年ごとに人気を呼んでいるイベントで、今回の前売りはすでに完売!

その大会に初年度から連続参戦するのが、まるで生き急ぐかのような空中殺法を得意とする覆面選手、マスカラ・ドラダ。このシリーズで来日した昨年1月には、新日本と異例の1年契約を交わし年間を通して参戦したが、未だ情報は少なく謎に包まれた存在である。

そこで、その実態に迫るべく新日本の道場へ! 2階に上がると薄暗い1室の奥に端正な顔立ちの異国の若者が…ま、まさか彼が「中の人」!? こちらの狼狽(ろうばい)を感じてか、マスクを手に「被ろうか?」と聞く巻き毛の外国人の厚い胸板に圧倒されつつ、撮影時だけ着用してもらうことに。まさにマスカラ・ドラダの素顔を聞くことができた!

―まずはマスカラ・ドラダという選手がどうやって生まれたのか聞かせてください! 初めてルチャリブレを観たのは?

ドラダ すごく小さい頃だね。きっかけは父だよ。(メキシコの)ハリスコ州グアダラハラで活動するヒタノというルチャドールだったんだ。僕もグアダラハラ出身で、今は27歳だよ。

―家族で他にもルチャドールはいるんですか?

ドラダ うん、弟もヒタノ・ジュニアとしてグアダラハラの「アレナ・コリセオ」という会場で試合をしているよ。妹も選手なんだけど、今はちょっと試合は休んでるんだ。

―ルチャドール一家なんですね! そのサイドボードの上の写真はご家族?

ドラダ そう、妻と娘たちだよ。

―お子さんもすでにふたりいらっしゃると。結婚して何年ですか?

ドラダ えーと、何年かな…。7年か、8年ぐらいかな。

―わりとアバウト(笑)。ところで、昨年のFANTASTICA MANIAは全会場を追っかけましたよ!

ドラダ ああ、観てくれたの!? FANTASTICA MANIAっていいでしょ? メキシコのスタイルそのままに試合をしてるから楽しめると思うよ!

―確かに素晴らしかったです。で、ドラダ選手は将来どんなルチャドールになりたいんですか?

ドラダ 世界レベルで有名な強い選手!

―では10年後の自分は何をしていると?

ドラダ そうだね、家族と一緒にゆっくりできて、楽しく過ごしてるといいな。あと、グアダラハラにジムを開いて若手の指導をしたい。

―えっ、37歳ですでに引退予定!? 新日本の棚橋弘至選手は39歳でバリバリのエースですし、まだ若いのでは?

ドラダ まあ、将来的にだけどね。僕の試合スタイルはすごく危険なんだ。だからあと10年、長くても12年くらいで終わらせることも大事かなと思う。みんな「ずっと続けて」って言ってくれるけど、短い期間でいい仕事をして、あとは家族のためにゆっくり過ごすのもいいんじゃないかな。

―危険な空中殺法を使いこなすからこそ計画的なんですかね…。じゃあ世界的に有名になるために急がなきゃ!

ドラダ そうだよ、時間がないんだよ(笑)。

―そして将来的には指導者として新しい選手を育てたいと。

ドラダ うん。若いルチャドールたちの手助けをしたいんだ。

―メキシコではどんな子供たちがルチャドールを目指すんですか?

ドラダ ファンたちだよ。メキシコにはルチャリブレのファンがたくさんいるからね!

―映画のモデルにもなったフライ・トルメンタ(暴風神父)という選手は孤児院を運営しながら選手を育てているとか。

ドラダ ああ、親のいない子や食事にも困っている子たちのカサ(家)でね。彼は本物のカトリックの神父さんだから。2年か3年前に僕も彼と試合をしたよ。恵まれない子供たちのためのチャリティでね。

―伝説の選手かと思っていましたが、現役なんですか!?

ドラダ 素晴らしい神父さんだよ。僕もカトリックだしね(胸のロザリオを見せて)。

―戦いと信仰って両立できるんだ…。ドラダ選手のツイッターを見ると、ローマ法王のありがたいお言葉と激しい試合の動画が交互に現れて、ギャップに戸惑います(笑)。

ドラダ そうかな(笑)。

―もしルチャドールになっていなければ何をしていましたか?

ドラダ サッカー選手か野球選手だね! サッカーも野球も大好きで、今でもサッカーは時々やるんだけど、バルサのメッシのファンなんだ。彼はスゴイネ〜、ハヤイ(日本語で)! サッカーはメキシコではすごくメジャーで、次がボクシング、その次がルチャリブレの順番かな。

―そんな中でルチャドールを職業に選び、どんどん知名度を上げていますが、あなたにとって「ルチャドールとして成功する」ということとは?

ドラダ そうだね、チャンピオンになること、マスクを賭けた戦いに勝つこと…いろいろあるけど、すでにひとつ成功したって言えるのは、新日本と長期で契約した初めてのルチャドールだってこと。本当に光栄だよ!

―新日本のリングに参戦することはルチャドールたちにとってもステイタスなんですね。今回も活躍を期待しています!

…てわけで、1月17日から始まる今年のFANTASTICA MANIAに参戦する選手たちもさらに精鋭ぞろい。トップ中のトップであるアトランティス、ウルティモ・ゲレーロボラドール・ジュニア、ミスティコ、メフィストら常連に加え、初参戦もイッキに6選手と総勢17名が大挙して飛来!

新日本プロレスからは1.4で熱い戦いを見せた棚橋弘至オカダ・カズチカ、1月いっぱいで退団する中邑真輔、“ロス・インゴベルナブレス”として人気急上昇の内藤哲也らスター選手が多数参戦。CMLLに無期限遠征が決まった小松洋平田中翔の壮行試合も全会場で行なわれ、各地で熱狂的に盛り上がることは必至!

実はこのインタビューの直後、自身の持つCMLL世界ウェルター級王座を新日本プロレスのBUSHIに奪われたマスカラ・ドラダだが、22日に再び組まれたタイトルマッチに向けて新たにメッセージを寄せてくれた!

「前回は(BUSHI所属のヒールユニット)ロス・インゴベルナブレスのせいで負けた。FANTASTICA MANIA2016ではこの仕返しをする。なぜなら俺は彼よりも実力があるからだ。俺にはメキシコ人の誇りがある。俺はイチバンだ! ただ、ひとつだけお願いがある。後楽園のBUSHIとのタイトル戦ではロス・インゴベルナブレスの介入だけは止めてほしい…!」

これはやはり、ますます見逃せない!

(取材/明知真理子 通訳/鈴木つどい 写真/新日本プロレス)

■FANTASTICA MANIA 2016

1月17日 高知・高知サンピアセリーズ/19日 京都・KBSホール/20日 大阪・大阪府立体育会館・第2競技場/22日、23日、24日 東京・後楽園ホール

※前売り券は全会場完売、当日券のみ発売