学生の窓口編集部

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セメダインと言えば、多くの人が知っている接着剤の有名ブランドにして有名メーカー。そんなセメダインが、1月6日、「『着るセメダイン』で光を纏う」と題するニュースリリースを発表した。へ?着るセメダイン?……ナニソレ?

まずはそのリリース冒頭の文句をそのまま引用すると、その「着るセメダイン」とは、

布のしなやかさを損なわず、布に直接、回路形成とチップ実装できるセメダインで
新たなウェアラブルデバイスを実現

――だそうだ。

新開発されたその「着るセメダイン」の名は「セメダインSX-ECA」。一言でいえば、導電性のペーストで、服の布地の上に自由に回路を描くことができる。もちろん、そこは接着剤メーカーの経験とノウハウの上に作り出したものだけに、布だけでなく、さまざまな素材に付着させることができ、直接、LEDなどのチップを装着・実装することができる。

ペーストは湿気を吸って硬化するのだが、もちろん、カチカチに固まってしまっては、せっかく柔軟性のある素材に付着させる意味がない。「セメダインSX-ECA」は硬化後でも十分な柔軟性をもって素材の変形に追従、接着性も高い。改めてその特長をリリースから引用すると、以下のようになる。

1) 湿気で硬化するため、室温程度の環境温度下でも十分な導電性が発現します。
2) 硬化後も柔軟性に優れ、各種素材の変形に追従します。
3) 当社が培ってきた接着技術により、様々な素材への接着性に優れます。特にシリコーンゴム、 布、紙、各種フィルムにも直接回路形成できます。
4) ペーストは液状のため、ディスペンス、印刷などで簡便に回路形成、部品接続が可能です。

つまり、これを使えば、人が着る服をそのまま基板に使い、その上に回路を形成することが可能になる。リリースおよびプロモーションビデオでは、軽やかな着物にLEDを散りばめ、光らせる様子が紹介されている。もちろん、単にファッション用途だけではない。身近に使うIT機器の進化は、持ち運び可能(モバイル)を超えて身に着けることが可能(ウェアラブル)へ、というのが、かねてから予測されていることだが、その進化にも一役買える可能性を持つ技術と言えそうだ。

「セメダインSX-ECA」は、1月13日(水曜日)から15日(金曜日)まで、東京ビッグサイトで開催される「第2回 ウェアラブルEXPO ―ウェアラブル端末の活用と技術の総合展―」にも出展される予定となっている。

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