厳選!新馬情報局(2016年版)
第31回:アレイオブサン

 昨年末のGI有馬記念(中山・芝2500m)を8着で終えて、現役生活に別れを告げたゴールドシップ。GI通算6勝という輝かしい実績はもちろん、同馬の個性的な性格から生まれた数々のエピソードは、多くのファンの記憶に刻まれたことだろう。

 そんな芦毛の個性派は、近年「黄金配合」と言われる血統で構成されている。それは、父ステイゴールド、母の父がメジロマックイーンという血筋だ。この配合の馬は決して多くないものの、ゴールドシップの他にも、その中からGI馬、重賞馬が複数出ているのである。

 代表的な存在と言えば、2011年のクラシック三冠(皐月賞、ダービー、菊花賞)を含めてGI6勝を挙げた"怪物"オルフェーヴルや、その兄でGIを3勝した(朝日杯フューチュリティS、宝塚記念、有馬記念)ドリームジャーニー。さらに、重賞2勝(京成杯、セントライト記念)のフェイトフルウォーなどがいる。そうした血統構成の母数を考えれば、活躍馬の出現率は驚異的と言える。

 そして今、「黄金配合」の象徴であるゴールドシップの引退を受けて、まるで入れ替わるようにして、同じ配合の若駒がデビューしようとしている。アレイオブサン(牡3歳/父ステイゴールド)である。

 母は3歳時に重賞を2勝(クイーンC、フローラS)し、3歳牝馬クラシックのGIオークス(東京・芝2400m)で5着と奮闘したディアジーナ。その実力馬から生まれた「黄金配合」だけに、早い時期からその動向は注目されてきた。

 同馬を管理するのは、ゴールドシップと同じ須貝尚介厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。芦毛という共通点も持つこの若駒に対して、スタッフはこんな印象を持っているという。関西競馬専門紙のトラックマンが伝える。

「スタッフからは、『ゆったりとした距離が合いそうなタイプで、長い目で期待したい』と聞いています。夏の頃はまだ精神的に幼かったのですが、それも解消されて、『競走馬としての気持ちがしっかりしてきた』と話していますね。ゴールドシップと入れ替わることにスタッフは縁を感じているようですし、面白い存在でしょう」

 ここまでじっくりと調整されてきたアレイオブサンは、1月5日の3歳新馬(京都・芝2000m)でデビューを迎える。鞍上を務めるのは、川田将雅騎手だ。

 不思議な縁を持つ若駒の初陣ということで、華々しい門出を望みたいところだが、スタッフの言葉どおり、あくまで「長い目で見る」ことが大事なようだ。先述のトラックマンが語る。

「体質の弱さを抱えているようで、なかなか体の成長が進まないみたいですね。本当ならもっと成長を待ちたいところですが、スタッフによれば、『3歳になるので、さすがにもうレースに使わないといけない』とのこと。そんな状態ですから、万全な態勢で臨む初戦とはいかないでしょうね。それに、デビュー戦だからといって、せかして鍛えてもマイナスになるので、陣営はレースを使いながら、じっくり育てていく構えでいます」

 期待馬とはいえ、初戦からトントン拍子に出世していく、というのは厳しい状況のようだ。それでも「黄金配合」となれば、心身の充実を迎えたときには、その力を爆発させるかもしれない。

 ゴールドシップが引退して迎える2016年、アレイオブサンが次なる芦毛のスターになれるのか、注目していきたい。

河合力●文 text by Kawai Chikara