ユダヤ教徒の家庭に配慮してクリスマス行事を中止とした米・小学校(画像はnbcbayarea.comのスクリーンショット)

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アメリカは人種のるつぼ。差別はもちろん、宗教の話題でも慎重にならざるを得ない。このほど米カリフォルニア州のある小学校で、クリスマス行事をめぐり保護者の間に大きなトラブルが起こったことを『sanfrancisco.cbslocal.com』が伝えている。

イエス・キリストを殺害したとして嫌われ、長く迫害されてきた歴史を持つユダヤ教徒たち。アメリカに暮らしているそんな人々にとって“クリスマス”という響きは辛いものがある。だからといって、ほとんどの人が楽しみにしているクリスマスをクリスマスらしく華やかに祝ってはいけないかといえば、「そこまで少数派の感情に配慮する必要はない」として現在に至っている。

そんな中、このほどカリフォルニア州サンノゼのカンブリア学区にある「Sartorette Elementary School」という小学校ではこんなトラブルが起きていた。親愛なるサンタクロースに会いに行くという趣旨で10年続いていた恒例の遠足について、学校は「今年は中止」と発表。タリアさんというユダヤ教徒の母親が学校に対し、「私達は公平な権利とともにこのグローバルな社会に暮らしている。宗教も多様な中、キリスト教ばかりが優遇されるのはおかしい。子供たちは教会や各家庭でクリスマスを祝えばよい。ただし公立学校のカリキュラムは万人向けのものであって欲しい」と陳情したことが理由だという。

これには多くの保護者の間で「少数派がなんと傲慢な」、「教育委員会もなぜ彼女の意見だけを尊重するのか」と反感を買い、共産主義者などという言葉とともにタリアさんイジメも始まっていた。しかしこの件に関してカンブリア学区の教育長であるキャリー・アンドリュースさんは、こう説明して保護者らに冷静になるよう理解を求めている。

「10年間続いた伝統だから絶対に今年も行うという理由はどこにもなく、事情によって臨機応変に対応するのみです。ここは公立のスクールで子供たちの背景にある宗教も文化もいろいろ。ダイバーシティ(多様性)を学ばせるよい機会でもあるのです。」

オバマ大統領もカードでのあいさつは“Happy Holidays”に徹している通り、日本人に親しまれている「メリー・クリスマス」という言葉より、無難に「ハッピー・ホリデイズ」と言う人がとても多いアメリカ。人種ばかりか宗教観の差別の問題も避けては通れない国である。

※ 画像はnbcbayarea.comのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)