シリーズに当初から携わる長谷部香苗と柏原寛司

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 人気シリーズの約10年ぶりの劇場版最新作で完結編となる「さらば あぶない刑事」の公開を記念し12月17日、過去作6作の上映会がスタートした。第1回として劇場版第1作「あぶない刑事」(1987)のトークショー付き試写会が行われ、“瞳ちゃん”こと山路瞳役の長谷部香苗と「さらば あぶない刑事」の脚本を手がけた柏原寛司が参加した。

 柏原は、開口一番「(このシリーズの脚本は)毎度役者のアドリブでいじられて(原型が)ほぼ残っておりません」と挨拶。約40倍の倍率から当選した観客たちを笑いに包んだ。一方の長谷部は当時の台本を持参。父親でありテレビシリーズと第1作のメガホンをとった長谷部安春監督の思い出話に花を咲かせた。

 柏原は「長谷部監督は寝ないんですよ。テレビ版だといい加減なのに、映画に関しては妥協しないから大変だった」と書き直しを命じられた苦労話を語りながらも、「僕がバカな脚本を書いてもきっちり撮ってくれるからバランスがいい」と懐かしげに語る。反対に、「さらば あぶない刑事」も手がけた村川透監督とは「『どうなるかわからないから』という理由でなかなか組ませてもらえなかった。テレビ版では7割以上は長谷部監督と組んでいる」と意外な裏話を披露。娘である長谷部も「初めて聞きました」と目を丸くしていた。

 柏原はさらに、長谷部監督は「撮って削っていくタイプ」と分析する。長谷部(香苗)は、その性格が表れたエピソードとして「第1作で瞳と良美(堅物房子)ちゃんがタカ(舘ひろし)さんを見舞いに行って、ベッドが空になってるのを見つけるというシーンがカットされてしまった。港署から出られるし、私服での撮影だったのでルンルンだったのに……」と口惜しげに告白。その話を聞いた柏原は「書いた者が言うのもなんだけど、今考えてもいらないシーンだね(笑)。映画っていうので浮かれていて、『キャラクターをみんな書いてやろう』となっていた。長谷部さんは娘が出ていてもクールに切りましたね」と「情に流されない」長谷部監督に感心していた。

 山路瞳といえば「瞳ちゃん、お茶」がシリーズの名物となっているが、長谷部は「あのセリフが皆さんの記憶に残っているのは、(近藤課長役の)中条(静夫)さんのおかげ」と感謝を口にする。「『またまたあぶない刑事』では、台本に書かれていないところでもアドリブで入れてくださった。演技を1から教えてくださいました」。最新作ではそのポジションは仲村トオル演じる町田透に受け継がれたが、「近藤課長のたぬきっぷりに近づいている。『もうちょっと、もうちょっと』(がんばってほしい)と思いながらお茶を入れていました」とほほ笑んだ。

 「さらば あぶない刑事」は、浅野温子や木の実ナナといったおなじみのメンバーに加え、吉川晃司と菜々緒が新たに出演する。16年1月30日から全国公開。