スマホのソシャゲではなくリアルな実物を使ったボードゲームやカードゲームに興味があるものの何から手を付ければいいのかわからない&あまりにもルールが複雑だとやる気がなくなる&初心者でも慣れた人と対等に遊べるようなのが欲しい、というワガママな願いをほぼ満たすことができるのが、2015年のドイツ年間ゲーム大賞やカンヌゲーム祭2015の最終候補としてノミネートされ、ドイツのアラカルトカードゲーム賞2015も受賞した日本発のカードゲーム「街コロ」です。慣れてくれば拡張セットの「街コロプラス」「街コロシャープ」を加えることでさらに完成度を高めることができ、みんなでワイワイガヤガヤとプレイするのに向いています。ということで、実際にプレイするとどうなるのか、レビューしてみることにしました。

街コロ|SHOP-グランディング株式会社

http://www.g-rounding.com/shop/2012/04/000161.php

「街コロ」のパッケージには、山林やビル、タワー、お店などのイラストが描かれています。



2015年のドイツ年間ゲーム大賞やカンヌゲーム祭2015の最終候補としてノミネートされていたり、ドイツのアラカルトカードゲーム賞2015を受賞したりしています。



プレイ人数は2〜4人、対象年齢は7歳以上で、1回のプレイ時間の目安は30分程度。



箱の中には、ルールブック、カード、コイン、ダイスが入っていました。



カードは全部で108枚。



街コロのルールはとても簡単で、街を発展させながら「駅」「ショッピングモール」「遊園地」「電波塔」の4つの大型施設を先に完成させたプレイヤーが勝利する、というもの。



ゲーム開始時に手元にある初期施設は「麦畑」「パン屋」の2種類で、4つの大型施設はカードを裏返して「建築中」の状態になっています。



残りのカードは種類ごとに並べておきます。



コインは場の中央の「銀行」にまとめてセット。



サイコロを振る順番を決めて、ゲームスタート。今回は2人でプレイしてみることにしました。街コロでは、自分の番と他の人の番で振られたサイコロの出目によって手元の施設カードの効果が発動して、その効果に応じてコインをゲットしていきます。例えば「麦畑」は1の目が出れば誰のターンでも銀行から1コインをゲットでき、「パン屋」は2か3の目を出すと銀行から1コインがもらえます。



1ターンの手順は「サイコロを振る」→「出目に応じて効果が発動、コインをゲット」→「所持金で施設を1つ購入」となっています。施設の建設数に上限はなく、複数のカードの効果が同時に発動する場合は、カードの色の赤→青・緑→紫という順番で処理していきます。より多くお金が受け取れるようにさまざまな施設カードを購入して組み合わせつつ、大型施設の完成を目指すというわけです。

なお、施設購入前に所持金がゼロの場合は、銀行から1コインの融資を受けることができます。



序盤はサイコロの出目が小さく所持金も少ないので、誰のターンでもサイコロの2が出たら1コインをゲットできる青カードや、自分のサイコロの目次第で一気にコインをゲットできる緑カードをためていくことになります。コイン1枚で購入できる「牧場」やコイン2枚の「コンビニ」などは少額で購入できるのでオススメ。



赤の飲食店カードは、他のプレイヤーがサイコロを振った際にコインを奪い、プレイを妨害できます。例えば「カフェ」のカードを持っていれば、3の目を出したプレイヤーから1コインを奪うことが可能。



紫のランドマークカードは建設費用が6コイン以上と高額ですが、「他プレイヤーからコインを奪う」「他プレイヤーと施設を交換する」などのスペシャルな効果が得られます。ただし、建設できるのは1種類の施設につき1軒までです。



少しずつ街を発展させつつお金を貯めていくと、こんな感じでずらっとカードが並んで街が大きく豊かになっていきます。



「駅」を建築するとサイコロを2個同時に振れるようになるのですが、サイコロを2個振っても5や6の目が出やすいので、サイコロの5の目が出ると誰のターンでも1コインがもらえる「森林」や、6が出ると任意のプレイヤーから5コインを奪える「テレビ局」は、終盤になっても活躍するカードです。



カードは青・緑・赤・紫の色分け以外に、施設名の先頭に付いているマークごとにも異なる効果が得られます。例えば歯車マークのついた「工場施設」は、「家具工場」を組み合わせることで、工場施設1件ごとにコインをゲットできるコンビネーションを発生させたり……



大型施設の「ショッピングモール」のカードには、コップマークの「飲食施設」とお店マークの「店舗施設」のカードで得られるコインを1枚増やす、といった大量コイン獲得の効果があります。



4つの大型施設の建築は、購入に必要なコインの枚数順でなくてもOK。例えば以下の場合だと、所持金が22コイン以上になったので、ショッピングモールや遊園地よりも先に電波塔を購入して、「毎ターン1度だけダイスを振り直せる」というスペシャルな力をゲットしたところ。



プレイヤーのうち、誰か1人が大型施設4つの建築を終えた時点で、ゲームは終了です。



ゲームに慣れてきたら、施設の種類を増やすことができる、拡張セットの「街コロプラス」「街コロシャープ」も用意されていて、遊びの幅がかなり広がります。



箱の中身は、新たな施設カードと、ルールブック。



街コロプラスでは、初期施設に「役所」が追加され、「所持金ゼロの場合に銀行から1コインの融資を受ける」というルールがより分かりやすくなっています。また、大型施設に「港」「空港」が追加され、建築しなければならない大型施設が合計で6個に増えます。空港は建築になんと30コインが必要という、超大型インフラ施設となっています。



購入可能な施設をずらっと並べるとこんな感じで、街コロと街コロプラスを足すとかなり膨大な量になります。



街コロプラスで追加されるカードには、例えば港が完成していれば1の目を出したプレイヤーから3コインを奪えるという「寿司屋」というカードがあり、ゲームの序盤でかなり有利。



「コーン畑」「ブドウ畑」というカードは、誰のターンでもコインをゲットしつつ、「青果市場」で得られるコイン数を増やすという、ダブルの効果があります。



貸金業は0コインで建設可能で、建設時に5コインをゲットする代わりに、5または6の目を出したら2コインを銀行に払わなければならないという、少しリスクの高いカード。「清掃業」の効果を発動して、早めに休業に追い込むのがよさそうです。



赤カードを貯めまくって他のプレイヤーを邪魔しまくるのもよし。



拡張キットで施設の種類を増やすと「7」「8」のカードがたくさん追加されるので、同じ目のカードをそろえて、大量コイン獲得のコンボを狙うのもよし、というようにさまざまな戦略をとれるカードゲームになっています。



街コロ・街コロプラス・街コロシャープの全カードを合わせて使うこともできますが、全部のカードを並べるとすさまじい枚数になるので、拡張セットのルールブックには「購入可能な施設カードを10枚に限定する」というルールが書かれています。この方法だと、購入可能な施設の種類にランダム性が生まれるので、施設の種類を覚えてゲームに慣れてきた頃にこのルールを採用するのがオススメです。



なお、街コロの箱の中に、拡張セット2つの箱もピッタリ収納できるように設計されており、実にスマートです。



「街コロ」はグランディングの公式サイトで購入できるほか、Amazonでは税込3109円で取り扱いがあります。

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また、拡張セットの「街コロプラス」は税込1636円。

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拡張セットの「街コロシャープ」は税込1900円です。

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