「真田十勇士」に出演する中村勘九郎、松坂桃李、大島優子

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 2014年に日本テレビ開局60年特別舞台として大ヒットを記録した「真田十勇士」が、同作の演出を手がけた堤幸彦監督のメガホンにより映画化されることがわかった。主人公・猿飛佐助を演じる中村勘九郎にとっては、ZEN「禅 」以来約7年ぶりの映画主演。霧隠才蔵役の松坂桃李、女忍びとして2人を翻ろうする火垂役の大島優子らとともに、12月2日から撮影に入っている。

 今作は、映画の公開(2016年9月)と同時期に舞台上演されることも決定。ひとつのタイトルを映画化、舞台化することは前例があるが、公開・上演を同時期に行うのは史上初の試みだという。舞台の演出も堤監督が手がけるほか、勘九郎が佐助としてステージを縦横無尽に飛び回る(16年版舞台に松坂と大島は出演せず新キャストは後日発表)。両作の脚本は14年版の舞台と同じマキノノゾミが執筆し、壮大な世界観と濃密な人間ドラマを描く。

 勘九郎が扮する佐助は、これまでに榎本健一、フランキー堺、中村錦之助ら各時代を代表する名優が演じてきた。今作では、男前が過ぎるばかりに周囲に勘違いされ凡庸な武将にも関わらず天下の名将にまつり上げられていた真田幸村を、佐助や才蔵ら十勇士の手によって本物の「天下の名将」にのし上げていくという設定だけに、勘九郎にしか出せない愛嬌のある演技やセリフ回し、歌舞伎とは異なる大立ち回りで切れ味鋭い殺陣を披露する。

 再び佐助に息吹を注ぎ込むことになった勘九郎は、「舞台初演時は、こんなにビッグプロジェクトになるとはつゆとも想像しておりませんでしたが、近年まれに見る壮大な映画になりそうで、これは心してやらなければならないと身が引き締まる思いです」と並々ならぬ意欲をのぞかせる。堤監督に対しては全幅の信頼を寄せている様子で、「ほんとにアイデアマンですよね。キャラクター造形にかけては本当に天才的ですし、台本にないせりふをひと言足す時の、言葉のチョイスのセンスはほんとに面白いし、説得力もある。監督が現場でアイデアをひらめく瞬間に居合わせた時の幸せは格別です」とコメントしている。

 一方の松坂は、容姿端麗で頭も切れるが山賊として身をやつしていたところを佐助に誘われ、「真田十勇士」のひとりとして幸村を陰で支えていくクールな忍び・才蔵を、14年版の舞台に続き演じる。勘九郎に負けじと、「以前の舞台では『お待たせしました、あなたの霧隠才蔵です』なんていうぶっ飛んだキメぜりふのインパクトの強い役。映画版ではこのせりふ自体はないけれど、真田十勇士の中で、とびきりクールでかっこいい、“水もしたたるいい男”霧隠才蔵として、最後まで駆け抜けたいです」と意気軒昂だ。

 また、2人の幼なじみで徳川方の忍び集団として相まみえる女くノ一・火垂役に挑むのが、本格的な時代劇に初出演となる大島。先輩俳優2人に対し、「おふたりとも初めて共演させて頂きます。勘九郎さんは、以前見たドラマで、そのお芝居の魅力に心を奪われました。今回は、その時のシリアスな役柄とは全然違うお調子者の役ですが、それを勘九郎さんがどういうふうに演じられるか気になります。松坂さんは生年月日が一緒で、幼なじみという役にすんなり入っていけそうで、共演を楽しみにしています」と共闘を誓った。

 現場で陣頭指揮を執る堤監督は「現在撮影中ですが、とにかくセットがすごい。監督の私すらセットの端から端まで全部見渡すことができないほどで、城の柱や梁を山から切り出して作った本格派、天井裏も作ってあって、そこを忍者が縦横無尽に走り回ります。ロケも広大な敷地を借りて行います」と興奮を隠そうとしない。そして、「素晴らしい音楽やハリウッドに負けないCGをご用意している上、テーマソングも大物が決定しております。まさに盆暮れ正月がいっぺんに来たような、そんな娯楽大作に致しますので、どうぞご期待ください」と話している。

 くしくも16年は、三谷幸喜によるNHK大河ドラマ「真田丸」の放送が控えており、“真田イヤー”の様相を呈してきた。なお、1月にクランクアップ予定の「真田十勇士」は、16年9月に全国で公開。舞台のほか、同時期に出版化されることも発表された。