ロッキーになりきったスタスタローン

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 「ロッキー」シリーズの新章として注目を集める「クリード チャンプを継ぐ男」の試写会が12月13日に都内で開催され、シルベスター・スタローンのモノマネで知られるお笑いタレントのスタスタローンと、映画批評家の前田有一氏によるトークセッションが行われた。

 ロッキーがリングに散った亡き盟友・アポロ(カール・ウェザース)の息子アドニス(マイケル・B・ジョーダン)のトレーナーとなり、アドニスをチャンピオンにするため育て上げるという本作。米映画批評サイト「Rotten Tomatoes」で93%(12月14日現在)という高得点をたたき出したほか、スタローンは第73回ゴールデングローブ賞の助演男優賞候補となり、悲願の俳優としてのオスカー獲得にも期待がかかる。

 スタスタローンは普段は同じスタローンでも「ランボー」のモノマネを主に行っているが、この日はロッキーのトレーニングウェアで登場し、フィラデルフィア美術館前を駆け上がる名シーンを再現。「待ってくれよポーリー、俺はロッキーもできるよ」とおどけたほか、「エイドリアーン!」と名セリフを叫ぶなど観客の笑いを誘った。

 一方、前田氏は「ロッキー」シリーズ(計6作)について「売れない俳優のスタローンが3日半で脚本を書き上げ、自ら主演することにこだわって売り込み、アメリカン・ドリームを実現した。俳優と映画が一緒に育っていった他にはないシリーズもので、スタローン自身の人生が反映されている」と指摘。

 本シリーズでは、アポロとロッキーの友情も重要なポイント。アポロは第4作「ロッキー4 炎の友情」(85)でソ連のドラゴ(ドルフ・ラングレン)に敗れて命を散らすが、前田氏は「1作目の後、スタローンは、やっかみから業界でいじめられたこともあったけど、最後まで理解者だったのがカール・ウェザースだったし、実際に仲が良かった」と現実の“友情”もまた作品に反映されていると明かす。

 批評サイトなどでは歯に衣着せぬコメントで知られる前田氏だが、「クリード」の出来ばえについては「絶対に満足できる!」と断言。旧シリーズへのオマージュも見られ、スタスタローンも「星条旗のパンツも大事! 泣けます」と太鼓判を押す。前田氏は、スタローンが実生活で子どもを亡くしている点にもふれ「全てを手に入れたロッキーが唯一、恵まれなかったのが後継者」とスタローンの思いが映画に強く込められているという見解を示した。

 「クリード チャンプを継ぐ男」は、「フルートベール駅で」(13)でもジョーダンとタッグを組んだライアン・クーグラー監督がメガホン。12月23日から全国公開。