過酷な撮影を振り返った阿部寛

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 第11回柴田錬三郎賞を受賞した夢枕獏氏のベストセラー「神々の山嶺」を映画化した「エヴェレスト 神々の山嶺(いただき)」が完成し12月14日、岡田准一、阿部寛、尾野真千子、平山秀幸監督が、東京・港区の明治記念館で行われた会見に出席した。

 岡田は、日本映画史上初となるエベレストでのロケを経て、「お芝居でも限界を超えた感情を目指すようになった。人生において、役者としての価値観が変わったかなと。上手いの先にある、人の心を打つ表現とはなんなのかと考えるようになった」と真摯に語った。

 さらに、高度5200メートル付近での撮影は困難を極めたといい、阿部は「5200メートルという世界はお風呂もトイレもないし、夜寝るのが怖いくらい低酸素。ある種異常な世界。その世界を撮り切った。苦しさと戦いながらやっていました」と述懐。一方の尾野は、「上に登ると、気圧の関係で3キロくらい痩せるらしいんですけど、3キロ太りました」といい、岡田が「(尾野が)誰よりもタフだったと思います」と明かすと、得意顔を見せていた。

 極限状態のなかスタッフ・キャストを率いた平山監督は、「とにかくヒマラヤはでかくて、映画を撮るという行為は5200メートルが限界だと思う。そういうところで小手先の芝居はまったく通用しない。そういう意味ではこの3人のドキュメント。生のこの3人を丸ごと撮っている気がした」と、素のままのキャストたちをカメラに収めたと話した。

 また今作のように、来年限界を超えて挑戦したい事を聞かれたキャスト陣は、「もう1回(エベレストに)行きたいです。限界を超えるあの場所、あの景色が忘れられなくて、もうちょっと上を行きたいなと密かに願っています」(岡田)、「私もエベレストに登りたい。来年とは言わずともいつか」(尾野)とすっかり山に魅了された様子。しかし、岡田より早く山での撮影が終了したという阿部は、「(岡田が終わるまで)頑張ろうと思ったのですが、心が折れて先にヘリで下山しちゃった。来年はそういうことが無いようにしたいです」と“へたれ”エピソードを披露し、報道陣の笑いを誘っていた。

 「エヴェレスト 神々の山嶺」は、「愛を乞うひと」で第22回日本アカデミー賞最優秀監督賞受賞を受賞した平山監督が、映像化不可能とされてきた原作を映画化。2016年3月12日から全国で公開。