大学4年間で分かれた明暗、六大学経た“三高5人衆”に岐路

 阪神の新入団発表会が7日に行われ、ルーキーたちの背番号が発表。ドラフト1位の明大・高山俊外野手は「9」に決まり「(日大三時代に)甲子園でいつも付けていた番号です」と懐かしんだ。

 当時の日大三といえば、印象深いファンも多いだろう。11年夏の甲子園。絶対的なエースと超強力打線を擁し、決勝の光星学院戦は11-0の圧倒的大差で優勝。21世紀の甲子園最強チームと言われれば、あの夏の日大三を推す声も少なくない。

 なかでも抜きん出た実力を持った5選手が東京六大学に進んだことは野球ファンなら、ご存じのはず。高山にとっても、それぞれ異なるチームに進み、しのぎを削る良きライバルとなった彼らの存在が飛躍を支えていた。

 来年3月に卒業を迎える「三高5人衆」が、大学でどんな活躍を演じ、今後はどんな道に進むのか、特集する。

○明大・高山俊

 なんといっても、一番の出世頭となったのは高山だ。高3夏は「5番・ライト」として甲子園準決勝、決勝で2試合連続アーチを放ち、優勝に貢献した。明大に進学後は東京六大学の安打製造機と脚光を浴び、48年ぶりに明大・高田繁の通算安打記録127安打を塗り替え、最終的に131安打の新記録を樹立した。

 今秋のドラフト会議ではヤクルトとの2球団競合の末、ドラフト1位で阪神に入団した。プロでは早くもトリプルスリーの期待がかけられるなど、高校時代の“本拠地”だった甲子園で再び脚光を浴びることになるだろう。

<六大学通算成績>102試合、404打数131安打、打率.324、8本塁打、45打点、リーグ優勝3度、ベストナイン6度

横尾は現役トップ64打点で卒業後は日本ハムへ、畔上はドラフトで指名漏れ

○慶大・横尾俊建

 高山とともにプロ入りの夢を叶えたのは、不動の「4番・サード」に座っていた横尾だ。高校通算58本塁打のパンチ力で日大三ではもちろんのこと、高校日本代表でも4番に座った。慶大では1年春からクリーンアップを託され、その後は4番も経験。今秋にはリーグタイ記録の4試合連続本塁打を放ち、現役トップの64打点をマーク。長打力、勝負強さを見せた。

 ドラフトでは日本ハムが5位で指名。上位ではないものの、中田翔という右のスラッガーとして最高のお手本もおり、札幌ドームのスタンドにホームランを連発するような選手になるかもしれない。

<六大学通算成績>96試合、330打数82安打、打率.248、13本塁打、64打点、リーグ優勝1度、ベストナイン2度

○法大・畔上翔

 高山、横尾とドラフトでの明暗が分かれたのが、畔上だった。日大三では「3番・センター」として前述の2人とクリーンアップを形成したが、なによりも魅力だったのがチームの統率力だ。小倉全由監督から主将を託され「小倉全由という男の野球が日本一なんだということを証明したい」と宣言していた。行動と言動で牽引する姿は、指揮官も絶賛するものだった。

 しかし、法大では下級生時代から出場しながら打撃面で安定性を欠いた。高校に続いて、主将に就任した今年は秋にリーグ2位の打率.404を残したが、ドラフトでは指名漏れ。社会人野球のホンダ鈴鹿に進み、2年後にプロに挑むことになる。

<六大学通算成績>77試合、243打数71安打、打率.292、3本塁打、38打点、リーグ優勝1度、ベストナイン1度

2年生以降不調やケガに苦しんだ吉永、元女房役の鈴木とともにJR東日本へ

○早大・吉永健太朗

 あの当時、最も全国的な知名度を誇っていたのは吉永だろう。絶対的なエースに君臨。140キロ台後半の直球とシンカーを勝負球にして、3年夏の甲子園決勝も完投した。卒業後は早大に進学。スーパールーキーとして1年春から活躍し、リーグ優勝に貢献。全日本大学野球選手権では、いきなり「高校&大学日本一」を達成した。早大・斎藤佑樹以来の「大会1年生MVP」に輝き、順風満帆な大学での船出となった。

 しかし、2年生以降はフォームのバランスを崩し、加えて右肘痛も発症。1年半以上も白星から遠ざかるなど苦しんだ。結果、目標としてプロへの挑戦は一旦は封印。プロ志望届は提出せず、社会人野球のJR東日本から、畔上と同様に再挑戦する。

<六大学通算成績>34試合11勝10敗、防御率2.53、リーグ優勝3度、最優秀防御率1度、ベストナイン1度

○立大・鈴木貴弘

 吉永の快投を女房役として支えたのが、正捕手の鈴木だった。「7番・キャッチャー」として出場し、甲子園決勝でも一発を放つなど、攻守でチームの大黒柱となっていた。立大でのリーグ戦デビューは2年春。それでも、3年春から定位置を掴むと、4年から横尾、畔上と共に主将に就任。六大学のうち、3校のキャプテンが同一校出身者から選出される快挙を演出した。

 卒業後はJR東日本に進む。吉永との高校時代以来のバッテリーも見られることになるはずだ。

<六大学通算成績>53試合、123打数19安打、打率.154、1本塁打、10打点、リーグ優勝、ベストナインともになし

 こうして見ると、5人のうち2人がプロ、3人が社会人に進むことになった。同一校の同級生が六大学でこれだけ活躍することが自体が異例のこと。今後はそれぞれ異なるステージで戦うことになるが、互いに切磋琢磨しながら野球界を盛り上げていってくれることだろう。