厳選!2歳馬情報局(2015年版)
第28回:ジークカイザー

 日本の競馬界において、近年スターホースを輩出し続けている厩舎がある。栗東トレセン(滋賀県)の池江泰寿厩舎だ。2011年のクラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を制した"6冠馬"オルフェーヴルをはじめ、毎年管理馬が大舞台で活躍している。

 今年も、GI2勝(宝塚記念、天皇賞・秋)のラブリーデイ(牡5歳)や、牝馬二冠(オークス、秋華賞)を達成したミッキークイーン(牝3歳)、GI日本ダービー(東京・芝2400m)で2着と健闘したサトノラーゼン(牡3歳)など、多くの馬が重賞戦線で輝かしい結果を残してきた。

 そんな池江厩舎から、新たなスター候補がデビューに向けて動き出している。ジークカイザー(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 何より注目すべきは、トップ厩舎が管理するにふさわしい、その血統だ。父ディープインパクトは、言わずと知れた日本のリーディングサイアー。そして、母のヒルダズパッションは、現役時代にGIバレリーナS(アメリカ・ダート1400m)を含めて、重賞通算5勝を挙げている名牝だ。

 豪華な血筋を持つジークカイザーは、まだ本格的な追い切りを始めたばかりの段階だが、管理する厩舎スタッフによれば、すでにその血統背景に見合った動きを見せているようだ。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「父ディープインパクトの良いところをしっかり受け継いでいて、スタッフからは『すごくキレがありそうで楽しみ』という高い評価が聞かれました。性格面についても、学習能力が高く『教えたことはすぐに覚える』とのこと。『デビュー戦から白星を期待できる』と、力がこもっていましたね」

 例年、素質馬が集う池江厩舎だが、その中でも注目すべき存在のようだ。なお、母はダートの短距離で活躍したが、産駒のジークカイザーについては、違った適性をスタッフは感じているとのこと。先述のトラックマンが続ける。

「母とは違って、ジークカイザーは『距離が持ちそうなタイプ』と、スタッフは見ていますね。2000m〜2400mの中距離が得意そうなので、『来春の皐月賞(中山・芝2000m)や、日本ダービーにはぜひ乗せたい』と意気込んでいました。そのくらいいい素材ということでしょう」

 同馬は、12月20日の2歳新馬(阪神・芝2000m)をデビュー戦に予定している。ここで素晴らしい走りを見せれば、前評判の高さも相まって、一気にクラシック戦線の主力候補に上がってくるだろう。

 池江厩舎が送り込む、2歳の大物。年の瀬が迫るこの季節に、クラシックを意識させるような走りを見せることができるのか。ジークカイザーのデビュー戦は必見である。

河合力●文 text by Kawai Chikara