学生や高校生アルバイトに違法・無法な働き方を強いるブラックバイトが社会問題となるなか、厚生労働省がアルバイト経験のある学生1000人を対象に初の実態調査を行いました。回答者の6割が何らかの労働条件上のトラブルを経験したと答え、事態の深刻さと広がりが裏づけられました。

世論と運動が力になり

 国がこうした調査をしたこと自体、世論と運動に押されたもので画期的です。高校生についても年内に実態把握を進める方針だといいます。日本共産党も昨年6月、提言「ブラックバイトから学生生活を守ろう」を発表し、国会や地方議会で対策を求めてきました。改めて政府に対し、貴重な調査を生かし、解決に向け踏み込んだ施策をとることを求めます。

 調査結果(9日発表)によれば、調査対象となったアルバイトののべ件数は1961件で、うちトラブルの内容で多かったのは「採用時に合意した以上のシフトを入れられた」(14・8%)、「一方的に急なシフト変更を命じられた」(14・6%)、「採用時に合意した仕事以外の仕事をさせられた」(13・4%)というものでした。

 「いつどこで、どんな仕事をするか」は雇用契約の基本中の基本です。シフトの変更も働く人との合意が大前提です。しかし、それを無視し、学生を駒のように使う働かせ方が横行しています。

 こうしたトラブルを防ぐ上では労働契約を書面でとりかわすことが重要です。労働基準法第15条にも、使用者は労働契約を結ぶ際、労働者に賃金、労働時間その他の労働条件を書面により明示しなければならないと定められています。ところが今回の調査では、6割のケースで書面の交付がされていませんでした。国は雇い主に対し、労働基準法順守を徹底すべきです。

 他に多く目に付くトラブルは、「準備や片付けの時間に賃金が支払われなかった」(13・6%)です。学生が多く働く学習塾(個別指導)に限ると、35・2%がこのトラブルを経験しています。学習塾では、「授業の準備や報告書づくりなど、授業以外にかかる時間に対し給料が支払われない」との声が以前からあり、厚労省も今年3月、塾業界団体に塾講師の労働時間の適正な把握・管理と賃金の適正な支払いを求める改善要請を出しました。調査も受け、さらに強力に改善をおし進めるべきです。

 スーパーやコンビニエンスストアのバイトでも、「着替えや掃除のあとにタイムカードを押すように言われている」「残業しても15分未満は切り捨てられ、その分の賃金が出ない」などの実態が広くありますが、本来、賃金は1分単位で支払われます。この問題ではいま、ブラック企業被害対策弁護団、首都圏青年ユニオン、日本民主青年同盟の代表が「ノーモア賃金泥棒」プロジェクトを立ち上げ、「働いた分の賃金はきちんともらおう」と呼びかけています。こうした「権利を学び、行使する」運動の重要性も、今回の調査は示しています。

切実な声にこたえよ

 調査の自由記述欄には、「使用者が学生の学業優先に対する理解を持ってほしい」「事業者側が労働ルールをもっと知り守ってほしい」「大学の授業料を値下げしてほしい」などの切実な声が寄せられています。国には、これらの声にこたえる責任があります。