厳選!2歳馬情報局(2015年版)
【第25回:リオンディーズ】

 2005年に日米のオークスを制し、同年のJRAにおける『最優秀3歳牝馬』と『最優秀父内国産馬』のタイトルを獲得したシーザリオ。ケガにより、わずか6戦(5勝、2着1回)のキャリアで引退することとなったが、その中で見せた走りは、ファンたちの記憶に深く刻まれるものだった。

 そして引退後も、彼女は母として、その実力を遺憾なく発揮。2013年のGI菊花賞(京都・芝3000m)と、2014年のGIジャパンカップ(東京・芝2400m)を制したエピファネイア(父シンボリクリスエス)を送り出した。

 とすれば、繁殖牝馬としての期待は膨らむばかりだ。今年もシーザリオの子がデビューに向けて調整され、大きな注目を集めている。

 リオンディーズ(牡2歳/父キングカメハメハ)である。

 同馬を管理するのは、栗東トレセン(滋賀県)の角居勝彦厩舎。陣営の言葉からは、リオンディーズに抱く期待の大きさがひしひしと伝わってくるという。関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「10月下旬に入厩して、調教タイムはよくなってきました。それでも、陣営としてはまだまだ伸びしろがあると見ているようで、『もっとピリッとすれば、さらによくなるはず』と言っています。それだけ期待が大きいのでしょう。実際、『乗り味はよく、大事に進めたい馬』と言っており、同馬への評価がうかがえます」

 厩舎にとってはゆかりの血統であり、何よりファンや関係者が夢を抱く血統背景の持ち主。それだけに、スタッフが望むレベルも相当高いのかもしれない。

 そんなリオンディーズが初陣を飾るのは、11月22日の2歳新馬(京都・芝2000m)。コンビを務めるのは、岩田康誠ジョッキーだ。

 実はこのレース、現2歳世代の"大物"と噂される、フォイヤーヴェルク(牡2歳/父ディープインパクト)のデビュー戦でもある。つまり、注目の逸材同士がいきなりぶつかることとなるのだ。

 そんな注目の新馬戦を前にして、陣営からはこんな展望が聞かれるという。先述のトラックマンが続ける。

「兄のエピファネイアは、デビュー前の調教がそこまで目立ったものではなかったのですが、実戦で強烈なインパクトを残しました。スタッフは、『リオンディーズも似たような雰囲気で、実戦にいってよさが出るかもしれない』と見ています。そもそも、デビュー戦から評判の2歳馬にぶつけるのですから、やはり陣営としてはある程度自信を持っているのかもしれません」

 GI馬の母と兄を持つリオンディーズ。新馬戦から熾烈な戦いとなるが、そうした状況下でこそ、同馬の持つ"名血"が騒ぐのだろうか。のちに「伝説の新馬戦」と称されるかもしれない、白熱のデビュー戦が楽しみでならない。

河合力●文 text by Kawai Chikara