トークを行ったヒラ・メダリア監督

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 1980年代ハリウッドに大旋風を巻き起こしたイスラエル出身のメナヘム・ゴーランとヨーラム・グローバスのキャリアを追うドキュメンタリー「キャノンフィルムズ爆走風雲録」公開を記念した特集上映「メナヘム・ゴーラン映画祭」が11月14日、シネマート新宿で始まり、来日したヒラ・メダリア監督がトークを行った。

 いとこ同士のメナヘムとヨーラムは映画会社「キャノンフィルムズ」を率い、「デルタ・フォース」「暴走機関車」「狼よさらば」シリーズなど、低予算のジャンル映画のヒット作を次々と飛ばしながら、ゴダールやカサべテスら商業主義とは一線を画す映画作家たちへも出資し、映画界の寵児となった。しかし大きな資本の流れとともに、2人の関係にも亀裂が入っていく。映画は2014年に死去したメナヘムのキャリアを振り返り、映画に全てをそそいだ2人の半生を映し出す。

 仲違いの後、長い間言葉を交わす機会がなかったというメナヘムとヨーラム。メダリア監督は「メナヘムはオープンな性格で、なんでも話してくれた。ヨーラムは心を開いてくれるのに時間がかかった。インタビューの許可を得るのに6カ月かかった」と振り返る。ひとつの質問を投げると、それぞれ全く違った答えが返ってきて、30分近く意見を戦わせていたことから、別々にインタビューを取り、映画の最後に2人が会うシーンを挿入した。「2人の全く違う視点を見せることで、その成功と失敗が見えてくると思った」とその意図を語った。

 劇中「スーパーマン4 最強の敵」について、決してメナヘムが失敗を決して認めなかったことを観客から問われると、「彼はとても前向きな性格で、自身の失敗について語ろうとしません。一番好きな作品を聞いても『次に作る作品だ』と答えるのです」とメナヘムの人となりを明かした。

 特集上映では2人が手がけた数々の作品を紹介するが、メダリア監督のお気に入りは「アート系の作品と『バーフライ』『爆走!キャノンボール』。メナヘムが気に入っていたのは『サンダーボルト救出作戦』」とタイトルを挙げた。

 「キャノンフィルムズ爆走風雲録」は11月21日公開、特集上映「メナヘム・ゴーラン映画祭」は27日まで。