機内食はお好き?(画像はイメージです)

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飛行機に乗った際に提供される機内食はお好きであろうか。残念ながら「まったく美味しく感じられない」という人もいるようだが、それにはこんな意外な理由があった。ヒトの舌はどうやら音に左右されてしまうというのだ。

フライト中の機内というのは、“キーン”という音のほか意外にもノイズが多い空間である。このほど心臓外科および内科が専門という米コーネル大学のキンバリー・ヤン博士が、「機内食がおいしく感じられない、味付けが薄いと不満をいう人は多いですが、それは“音”の影響を受けているからです」と心理学系医学雑誌『Journal of Experimental Psychology』に発表した。

博士が行った実験には48人の参加者が協力した。用意された食べ物の甘み・塩辛さ・酸味・苦味・旨味について、“わずかに感じられる”から“かなり強く感じる”までの3つにレベル分けするというもので、室内の音については実験の30分前から、読書や勉強にふさわしいレベルから徐々に85デシベル(至近距離のピアノ演奏、地下鉄の車内の騒音などと同等)にまで上げられた。その結果、騒音のレベルの大小は塩辛さ、苦味と酸味には何ら影響を与えないが、甘味に関しては舌が鈍感になっていることが分かった。またそんな中でも優れた力を発揮したのは旨味であったという。

騒々しい中で食事をとると、味覚に変化が現れるとは不思議なもの。しかしヤン博士は、聴覚をつかさどる神経と味覚をつかさどる神経は脳内の耳元でクロスするなど密接に関係しており、感じ方に影響が出てもなんら不思議はないとしている。確かにイスの足が金属製で、動かすたびにガチャガチャ、あるいはギーッと音を立てるような飲食店に食の満足感を求めるという人は多くない。耳障りな騒音が味覚にも影響を与えているというのはあながち嘘ではないのであろう。

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(TechinsightJapan編集部 Joy横手)