舞台挨拶に立ったオダギリジョーと中谷美紀

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 オダギリジョー主演で日本人画家・藤田嗣治の半生を描く「FOUJITA」が11月14日、全国15館で公開。オダギリをはじめ、共演の中谷美紀、メガホンをとった小栗康平監督が東京・角川シネマ有楽町で舞台挨拶に立った。

 オダギリが登場すると、客席の男性から「オダギリさん!」と声援があがる。オダギリは思わず吹き出し、「黄色くない(声援)ですね。今ので言うことが飛んじゃった……」と苦笑いしながらも、「1年前、パリで1カ月、日本で3カ月撮影しました。本当にあっという間でした」と感慨深げに語った。

 本作を見た感想を問われたオダギリは、「自分で言うのも変だけど、(過去作と対比してみて)どの演じている姿より美しくみえた」と明かす。さらに「こういうことを言うと自画自賛と誤解されそう」とはにかみながらも、「自分の良さを最大限に引き出すことができた」と納得の面持ち。「これからは『FOUJITA』を代表作にして欲しい。今までは代表作というと、『東京タワー』と言われることが多かったが、これからはフジタのオダギリでお願いします」と胸を張った。

 また、役者として新境地を開拓することができた要因を「小栗監督の指導の賜物」だと語る。オダギリは現場で「セリフに感情を入れるな」という演出があったこと告白。監督の意図を「セリフには既に言葉として感情が書かれているのだから、役者の芝居でその意味を限定することを嫌った」と説明し、「(観客が)どうにでもとれるような言葉の広さを持って欲しいと常に言われていた」と振り返った。

 さらに、これらの演出を突き詰めた結果、「これを1本の映画を通してやっていくと、研ぎ澄まされていく感覚がある。セリフひとつひとつの重みを感じた」と述懐。だからこそ、「他の監督たちが伝えようとすることとは小栗監督は違う時限で物事を捉えられていて、それがすごく新鮮。演技をするということの新しい意味を見たような気がした」と最敬礼だった。

 映画は、1920年代のフランスで時代の寵児となり、帰国後は戦争協力画で日本美術界の重鎮となっていったフジタの半生をつづる。