ハイテンションの真梨幸子氏に尾野真千子もクスリ

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 真梨幸子氏のベストセラー小説を、動画配信サービス「Hulu」が映画「凶悪」の脚本家・高橋泉を起用し、完全オリジナルの連続ドラマとして映像化した「フジコ」の完成披露試写会が11月12日、都内で行われ、狂気の殺人鬼フジコを演じた尾野真千子と真梨氏、村上正典監督が参加した。

 幼い頃に一家惨殺事件に巻き込まれて人生を狂わされ、幸せを求めて10数人もの人々を手にかけたフジコ。物語は、フジコの娘から手記を受け取った女性記者が、死刑囚として投獄されたフジコに取材し、その衝撃的な半生を紐解いていく形式をとる。

 後味が悪く嫌な読後感を抱くミステリーを指す「イヤミス」の名手として知られている真梨氏は、「頭の中で意識していたフジコが実像化した。びっくりぽんや!」とNHK連続テレビ小説「あさが来た」のセリフを持ち出して興奮気味に語る。「ぼかしてくるだろうなと思っていたところも真正面から描いていて、内臓の底から痛くなるようなドラマでした。太鼓判100個くらい押します」と大絶賛し、「衝撃を受けてください」と観客に呼びかけた。

 原作者の“お墨付き”を得た尾野だが、オファーを辞退しかけたエピソードに触れ「演じることはやりがいがあったけれど、不安だけが最終日までずっとあった」と告白。劇中では全身血まみれになるなど体当たりの演技を披露しているが、「役作りはしていない」と言い切った。さらに面会室のシーンでは全くのノーメイクで挑んだと明かし、まさに身一つでフジコを“体現”したことをうかがわせた。撮影を振り返り「(子どもを虐待するシーンは)心が痛かった。(夫婦役を演じた)高橋努さんと『やめたいやめたい』と2人で話していました」「共感は求めていません」との“ネガティブ発言”で観客を笑わせた尾野だが、「このチームならまた(殺人鬼役でも)やりたいですね」と意欲を見せた。

 そんな尾野を「完璧です。(ノーメイクのシーンでも)計算外に綺麗だった」と称賛する村上監督は、「撮影後に“マチコ・ロス”になった」と明かすほどのほれ込みよう。「演者さんが人間の本質を丁寧に表現してくれた。刺激だけじゃなく、人間が生きているドラマになった」と胸を張る。同時に、「テレビだと車の事故はタブーだったり血の量だったり、さまざまな自主規制がある。それを今回は、原作の世界観をどこまでやろうかとプラスに考えられた。Huluは、クリエイターとして恵まれた環境でした」と振り返った。

 「フジコ」は、谷村美月が女性記者を演じるほか、丸山智己、リリー・フランキー、浅田美代子、真野響子が脇を固める。本日11月13日からHuluおよびJ:COMで全6話を一挙独占配信。