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「2020年の東京へ、期待される価値を求めて」をテーマに開催

空港の出発ロビーに仕立てたイメージングエアポート。写真左側の飛行機は同社のカメラで撮影しインクジェットプリンターで出力したものを使用している。右側の出発ゲートに進みいざCanon EXPO 2015会場へ

「Canon EXPO 2015 Tokyo」はキヤノンが5年ごとに開催している展示会で、2015年11月4〜6日の3日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムで開催された。この展示会は関係者や株主、マスコミなど招待者のみとなっており、前回までは品川のホテルで開催されていたが、出展物の多様化につれ会場スペースや機材の大型化・重量などの関係で今回は東京国際フォーラムでの開催となったようだ。なお、9月9〜11日までニューヨークで開催された「Canon EXPO 2015 New York」や、13〜15日までパリで開催された「Canon EXPO Paris 2015」とは会場や国の違いもあり、出展製品が若干異なっている。

高層ビルを俯瞰で見るイメージングスカイウォーキング。この高層ビル群も同社のカメラとインクジェットプリンターによるもの

今回で4回目となる今年は、「2020年の東京へ、期待される価値を求めて」をテーマに、同社の目指す方向性を技術や製品を通して見せていこうというもので、まだ発表されていない技術や製品などのほか、9月8日に発表されたCINEMA EOS SYSTEM 8Kカメラや業務用8Kディスプレイ、1.2億画素一眼レフカメラなども出展されている。もちろんこうした映像機器のほか、プリンターや医療機器、各種事務機など同社の製品やシステムの最先端技術が出展されていた。会場は巡回式になっており、足早に巡回しても1時間強はかかる見応えのたっぷりの展示会であった。それでは、巡回していこう。

3面プロジェクターによる8Kライドエクスペリエンス。高精細が臨場感を醸し出すだけでなくサイドの映像も適度なぼかしが入ることで、あたかもそこにいるような感覚になる3D撮影カメラシステムや画像処理、専用ビューワーや音響によりあたかも実物を見ているかのような感覚を体験できるiVIS miniを24台使用した3D撮影カメラシステムによる全方位撮影頭の向きに追従するインタラクティブな立体音響とともに高解像度の3D画像を視聴できる体感コーナー

キヤノンの歩みを振り返る

さて、前半はこうした画像技術で見せる演出により臨場感への可能性を披露し、この後に環境対策や同社の歩みを歴史的な製品を通して見せていくコーナーへと続く。1934年に試作されたKWANONカメラ、レンズはKASYAPA。観音菩薩や釈迦をもとに命名されたという。翌年にはCANONになるが、社名は精機光学工業株式会社で1947年にキヤノンカメラ株式会社になる1954年にNHKとテレビカメラを共同開発。残念ながら実機も写真もないので、どんなカメラか不明。ただ、テレビ放送が開始されたのが1953年なので、放送初期からテレビに関わっていたといえる1958年にはテレビ用のズームレンズを発売。このころは一般にも8ミリフィルムによるムービー撮影が流行りだしたころでもある1990年台は8ミリビデオカメラLX-1やNHKと共同開発で高速度カメラなどを開発している。LX-1は民生期としてレンズ交換可能なカメラとして一世を風靡した機種といえる。視線入力を採用したEOS 5の発売もこの年代だ映画・放送の現場のコーナーにも歴史的を伝えるパネルがあり、放送用のレンズから現在のCINEMA EOS SYSTEMまでのストーリーが一覧できるこれを見るとこの数年でレンズを始めとしてカメラなど数多くの製品があり、大きく躍進したのがわかる

5年後の日常を見据えて〜8K STUDIO

メインの8Kスタジオ周辺は来場者でいっぱい。9月にCINEMA EOS SYSTEM 8Kカメラや1.2億画素一眼レフカメラ、業務用8Kディスプレイの発表があったこともあり、実機を目当てにごったがえしていた。未来はそこに来ていることを感じさせてくれる展示だ。

CINEMA EOS SYSTEM 8Kカメラを放送仕様にしたもの。8Kレンズ7×19.7N KASDに光伝送可能なExt.BOX1などが装備されており、8KのHDRモニターなどにデイジーチェーンで接続されている。Ext.BOX1とカメラは6G SDI×4で接続されており、リモコン、タリー、インカムなどにも対応しているExt.BOX2は8Kリアルタイム現像ができ、放送規格ITU-R BT.2020のほか、いわゆるHDR規格のSMPTE ST2084に対応している。8KのHDRモニターに接続されていた。その先にデイジーチェーンでExt.BOX3が接続されており、こちらではHDRではない8Kモニターが接続されていた16:9サイドカット出力でBT.2020対応となっているCINEMA EOS SYSTEM 8Kカメラを映画仕様にしたもの。レンズはEFシネマレンズCN-E 30-300mm T2.95-3.7 LS。後部にはExt.BOXと4K RAWレコーダーが4台装着されている。Ext.BOXは4Kへのダウンコンバートにより4KのHDRモニターが接続されていたレコーダーはConvergent DesignのOdyssey7Qを4台で、それぞれSDIデュアルリンク接続、Canon-Logによる収録となっている。かなり力技な印象だが、現状8Kのインターフェースが確定していないことや記録フォーマットのこともあり、こうした形になったようだ。各所で使われたいたExt.BOXもこうした規格が決まるまでの暫定的なもので、最終的にはもっとすっきりした形になるという先に発表された業務用8Kディスプレイは独自の画像処理によりHDRを実現し、広色域表示と300PPI超の画素密度を実現ワイヤレスでEOS C300 Mark IIをiPadでコントロールすることが可能なデジタルシネマソリューション。会場では3つのiPadにそれぞれ異なるアプリがインストールされており、ディレクターやフォーカスマン、VEなど職種に適した表示やリモートが行えるようになっていた。将来的には1つのアプリで切り替えて使用できるようにするという。プロキシはそれぞれのiPadに収録されるようになっているスーパーバイザー用画面。複数カメラの切り替えやカットごとにタグ付けなどが可能フォーカス用の画面。フォーカスアシスト機能で画面上でピントを合わせたいところをタッチして指定することができるカメラコントロール画面。波形モニター表示やアイリス、ISO感度、シャッター、色温度などのコントロールが可能9月に発表された有効画素約1.2億画素の一眼レフカメラ。RAWデータでは1コマで200MBを超える容量となる。実際にこのカメラで撮影した映像を披露していたDOレンズとBRレンズという新たな技術により小型化された600mm F4レンズ。実際の製品は右のようになるようだが、F値で前玉の径は決まってしまうので全長が短くなり小型になるBRレンズは異常分散特性により色収差補正に、DOレンズは回析光学による屈折で小型化に寄与するデジタル一眼レフカメラ用リモート撮影システム。カメラマンが立ち入れないような競技場の天井などに設置して撮影することを目的としているというAPS-Hサイズの2.5億万画素CMOSセンサー。単純に画素数を増やすだけならそれほど難しいことではなく、駆動クロックの高速化や読み出しなど信号系の高速化が難しいという。秒5コマの撮影が可能2.5億万画素CMOSセンサー搭載カメラ。9月に技術発表されていたカメラとは違ったデザイン実際に2.5億万画素CMOSセンサー搭載カメラで撮影した画像。発表時の資料に光学ズームと電子ズームを組み合わせ約18km先を飛行する飛行機の機体文字の識別に成功となっており、一般のカメラではなくかなり特殊な用途を想定しているようだ超高感度35mmフルサイズCMOSセンサー。画素数は約200万画素なので、HDカメラ用といえるだろう。7月に発表になったME20F-SHに搭載されているセンサーのようだ超高感度35mmフルサイズCMOSセンサーによる星野画像。高感度かつ低ノイズの画像となっており、自然災害の監視や野生動物の生態撮影などにも使えそうだ前回のCanon EXPOでも出展されていたが、コードレスで充電とカメラ内のデーターをクラウド転送。今回はタブレットで検索などが行えるようになっている日にちやカメラなどで整理・検索可能。前回のCanon EXPOでは顔認識による自動仕分けなどが可能だったが、今回は対応していない新方式3Dプリンター。シート状の素材を積層して立体化する方式で、一般製品で使われているのと同じ素材で立体化が可能。3Dプリンターで精製後の調整などもほとんど必要なく滑らかな形状で出力できる監視カメラコーナーでは同社の製品のほか、先に買収したAxisやMilestone Systemsの製品を出展。特にAxisはキヤノンにとって過去最大規模の買収で、ビデオ管理ソフトウエアMilestone Systemsに続くこの分野の買収は同社が今後大きな柱として見ているものといえるネットワークビデオ監視・ビデオ管理ソフトウエアの大手であったMilestone Systemsを傘下にすることで、今までのカメラなどハードだけでなくシステムとして完結できるようになったAxisはネットワーク監視カメラとしてサーマルカメラやパノラマ、4Kカメラなど様々な機種をもっている月明りほどの低照度でも鮮明なカラー画像が得られる新機種もキヤノンから登場乳がん検診のマンモグラフィー検査用のものだが、圧迫感がなく自然な形で検査が可能。この装置で取られた画像マンモグラフィー検査用に開発されたX線照射管。黄色い部分が照射角度で、この角度が非常に特殊で、かつ難しいという光と超音波により血管を3D映像化する検査機器と実際の画像半球型光超音波センサー。半球状に配置した多数のセンサーが体内の血管から発する超音波を受けて高解像度の血管画像が得られる