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●黒ひげの役作りとリーヴァイ・ミラーとの共演
『X-MEN』シリーズのウルヴァリンのように善人役のイメージの強いヒュー・ジャックマンが、スキンヘッドに自前のひげという強烈な姿で悪役に挑んだ。ピーターパンの過去を描いた映画『PAN』(10月31日公開)で彼が演じたのは、ネバーランドを牛耳る海賊で、時空を超えて子供を拉致する極悪人。鋭い眼光で狂気を感じさせるヒューの悪役姿は、見る側としても新鮮だが、演じた本人もとても楽しんだという。

10月上旬に行われた本作のジャパンプレミアで、日本のファンを歓喜の渦に巻き込んだヒュー。来日中にインタビューし、悪役・黒ひげの役作りや、少年ピーター役に大抜擢されたリーヴァイ・ミラーとの共演について、また親日家で知られるヒューから見た日本の魅力などを語ってもらった。

――悪役を演じるのは楽しかったとのことですが、どの点が楽しかったですか?

この物語は、11歳の子供の目からみた話。子供は何を見てもアドベンチャーやマジックに見える。そこに悪人がいるんだ。悪人というのは大人のことで、子供にとっては怖いけれども、バカにも見えるという両方を持ちあわせている。大人の何が怖いかというと、予知できないということ。一瞬いい人だと思うと怖くなったり、その予知できないところが子供にとっては不安なんです。そうやって怖さを出しました。

――原作では黒ひげの印象がないのですが、どのようにこのキャラクターを固めていったのでしょうか。

原作にひとこと文章があるんです。フックの第2ボス、船長の下に黒ひげがいると。そこから広げていきました。また、見た目のビジュアルについては、監督が写真を見せてくれたんです。僕の写真を加工して、ルイ14世の衣装を着せて、マリー・アントワネットのかつらをかぶったものを。このビジュアルは、監督のアイデアなんです。

――鋭い目がとても印象的で恐怖を感じました。演じる上で、どのようなところにこだわって演じましたか?

目だけ考えているわけではないですけど、目は心の窓と言いますし、重要ですよね。そして、黒ひげは黒ひげであることを非常に楽しんでいる。けれども、その後ろには、自分が勢力を失うんじゃないかっていう恐怖もあるし、愛がないから悲しさもあり、そういうものも秘めているんです。そのあたりを思いながら演技をし、それが自然に表情となって出ているのだと思います。

――黒ひげとピーターの掛け合いも本作の見どころですが、ピーターを演じたリーヴァイ・ミラーとの共演はいかがでしたか?

すごいですね、あの子は。礼儀正しい! オーストラリアの子なんですが、礼儀正しくて敬意があって、日本の子みたい(笑)。そして、カメラの前で全然緊張しないんです。遊び場にいる子供みたいなんです。また、監督が『ここで泣いたらいいかな』って言うと、パッと涙が出るんです。本番中なのに、思わず仲の良いカメラマンに「信じられるか?」って言ってしまったくらい。演技というのは、芝居してはいけないんです。自然にいるのが本当の演技なんです。でも、リハーサルをしても本番で簡単そうに見せるのは難しい。カメラが前にあって、300人もの人に見られていたら、緊張するものなんです。それでも彼は全然平気なんです。ただ楽しんでいるという感じ。同じオーストラリア人であることにとても誇りに思っています。画面通りの少年ですよ。好きになるよね、あの少年は(笑)。

●あふれる日本愛と大切にしているモットー
――いつも日本のことを褒めてくださいますが、親日家になられたきっかけを教えてください。

最初に日本に来た時です。18歳の時に10人の仲良しグループで、「40歳になったらみんなで日本に行こう」って誓いを立てて、本当に来たんです。7、8年前に。そして、息子を連れて富士山に登ったり、北海道から日本中を回りました。最初から日本に憧れを持っていて、今まで12回来ているけれど、本当に日本が大好き。人がすばらしい、場所もすばらしい。世界で一番ユニークな国だと思います。また、人は胃袋で楽しさを感じるといいますが、日本食は世界で一番好きです!

――今、日本でやりたいことは?

温泉、スキー、釣り……京都も行きたい! 博物館、美術館に行って、また、ショッピングはあまり好きではなくてほかの場所ではやらないけど、日本だけショッピングをするんです。日本は違うものがあるから。日本人はとてもきれいなアーティスティックなものをつくりますよね。そして、食べ物がとにかくおいしい! 寿司も食べるし、立ち食いそばもおいしい。炉端焼きもいいですね!

――常にポジティブなオーラを感じますが、ポジティブに生きる秘けつや大切にしているモットーなどがあったら教えてください。

24時間ポジティブなわけではないですよ! でも、自分の好きな仕事ができるということが大きいのだと思います。嫌な仕事をする人もいるけど、自分の好きなことができるとポジティブになります。そして、自分がいかにラッキーかっていうことを忘れないこと。これだけ好きなことができるということは、ラッキーだと自分に言い聞かせる。世界中に旅ができて、いいスタッフに囲まれて仕事ができるということはラッキーだって思い起こすんです。また、寝る、食べる、瞑想(めいそう)する、家族と過ごすなど、シンプルなものに価値を見いだすんです。そのバランスが大事です。

――モットーがあるとすると、"シンプルに生きる"ということでしょうか。

"今を生きる"ということだと思います。人はどうしても未来を考えたり、過去のことを思い悩んだり、ぐちゃぐちゃ考えてしまう。それがいけないわけで、今を大切に生きるということが大事なんだと思います。

■プロフィール
ヒュー・ジャックマン
1968年生まれ、オーストラリア出身。『X-MEN』シリーズ1作目『X-メン』(00)でウルヴァリンを演じ、アメリカの大作映画初登場。同シリーズで大ブレイクし、2016年公開の最新作『X-Men:Apocalypse』でもウルヴァリンを演じる。また、ウルヴァリンが主人公の『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』(09)、『ウルヴァリン:SAMURAI』(13)も大ヒット。『レ・ミゼラブル』(12)で初めて米アカデミー賞最優秀主演男優賞にノミネート、ゴールデングローブ賞コメディ/ミュージカル映画部門最優秀男優賞を受賞した。

(酒井青子)