「東京国際映画祭コンペ作品」“満足度ランキング”犬の演技で魅せる『家族の映画』が高評価【第5回】

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東京国際映画祭もいよいよ終盤戦に突入し残すところわずか3日!
10月28日(水)に『ガールズ・ハウス』、『モンスター・ウィズ・サウザンヘッズ』、『カランダールの雪』、『家族の映画』が上映され、これでコンペティション部門出品作は全作品、少なくとも1度は上映されたことになる。気になる見終えた観客の評価・感想は?

【東京国際映画祭】イーサン・ホークに絶賛の嵐! コンペ作品”満足度ランキング”速報レポ【第2回】

4位:『カランダールの雪』

満足度:77.4

<項目別5段階評価>
俳優:3.7
ストーリー:3.3
音楽:3.4
演出:3.7

電気も水道もない山の上でわずかな家畜と共に生きる一家。父は、一攫千金を夢見て、鉱脈を当てようとするのだが、やがて、それも投げ捨て、村で行われる闘牛に希望を託し、家畜の訓練を始めてしまう…。ドキュメンタリー作品出身のムスタファ・カラ監督が荒涼たる大自然を相手に生きる一家をテーマに撮り上げた長編デビュー作。

139分の大作だが、壮大で厳しさをはらんだ自然の描写に対する称賛が寄せられ、その中で紡がれる家族たちのドラマにも大きな反響が。

「自然の風景、動物などがディティールまでしっかりとよく描かれていて、最後までずっと見ていました。自然が相手であり、どうなるのか? と緊張感がありドキドキしました」(40歳・女性)。

「最初は何が起きているのかわからず、把握するまで集中力が必要でしたが、追って、追いかけられました!」(40代・女性)

「山の風景、霧などの描写、音響も良かった。子どもたちを演じた俳優たちも素晴らしかった」(35歳・女性)

「雪の景色が素晴らしかった」(35歳・男性)

「大自然を生きる家族の姿に感動しました」(25歳・女性)

3位:『ガールズ・ハウス』

満足度:80.5

<項目別5段階評価>
俳優:4.3
ストーリー:4.2
音楽:3.8
演出:4.5

結婚式を翌日に控えた女性の死。不審に思った友人たちが真相を突き止めるべく調査しようとするが、被害者の父親は非協力的で容量を得ない。いったい何が起きたのか? 彼女は本当に死んだのか? 伝統的なイスラム社会の影に踏み込むイラン映画の問題作。

まずなにより、日本とは宗教的な下地の異なるイスラム圏社会の一端を描いた点について、反響の声が多く集まった。

「ショッキング! イランの現状が垣間見え、伝統を重んじる国ということを再認識しました。また、若い世代がそれを変えようとしているのを知ることができました」(女性)

「思った以上にショッキングで切ない物語でした」(女性)

「日本とは違う古い文化が残っているのを知り、国の違いを感じました」(30代・女性)

また「もう一度見たい」という感想も複数寄せられていた。

2位:『家族の映画』

満足度:82.8

<項目別5段階評価>
俳優:4.6
ストーリー:4.1
音楽:3.9
演出:4.4

一家の両親がヨット旅行に行ったのをこれ幸いと留守番の姉弟は羽根を伸ばすが、やがて、弟のサボりがバレたことから事態は思わぬ方向へと向かい……。幸せなはずの家族が迎える変化と意外過ぎるエンディングが驚きを誘う。

「家族の平穏と危機がきめ細かく描かれていた」(55歳・男性)、「家族の弱さ、強さが感じられ、山あり谷ありの家族でも幸せに暮らせることを願いました」(女性)など、家族という普遍的な存在を丁寧に描いている点に高評価が。

もうひとつ、多くの観客の心をつかんだのが、この一家が飼っていて、家族をつなぐ重要な役割を果たすことになる犬の存在! 犬の存在感、演技(?)に絶賛が続出! 

「犬の演技が凄かったです!」、「オットー(犬)がよかった!」「犬の鳴き声に救いを感じました」「犬好きの我が家には絶対にアリの一作!」などなどまさに犬が映画と観客の心をつないだよう! この見どころのポイントは、コンペの行方はもちろん、今後の日本での興行にも大きな意味を持つかも……?

1位:『モンスター・ウィズ・サウザン・ヘッズ』

満足度:86.1

<項目別5段階評価>
俳優:4.4
ストーリー:4.4
音楽:3.7
演出:4.7

在宅介護をしていた夫の容体が急変! 慌てた妻は主治医に連絡を取ろうとするのだが……。平凡なはずの主婦がたどる思わぬ運命と絶望的な行動をサスペンスタッチで描き出す。
こちらは『カランダールの雪』とは対照的に75分という短い時間の中で緊張感を維持し、エッジの効いた作品に仕上げているのが大きな特徴。

「登場人物の情報も多すぎず少なすぎず、見ている側も考えながら見ることができ、ハラハラしました」(23歳・男性)

「すみずみまでプロの技が光る。(原作の)小説がモノローグと聞いて納得。短い時間の中でスタイリッシュでした」(45歳・女性)

「短い時間を感じさせない濃い内容でした」(19歳・女性)

「客観的視点から描かれていておもしろかった」(23歳・男性)

やはり、練りに練られた構成を称賛する声が多数! コンペ作品の中でもエンタメ色の強い作品として高評価が続出しており、グランプリを期待する声も!