松山ケンイチ(中央右)、北川景子
(中央左)ら“森田組”再集結!

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 松山ケンイチ主演「の・ようなもの のようなもの」が10月29日、開催中の第28回東京国際映画祭パノラマ部門で上映され、松山をはじめヒロインを演じた北川景子、伊藤克信、杉山泰一監督が、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた舞台挨拶に出席した。

 映画は、2011年12月に急逝した森田芳光監督のデビュー作「の・ようなもの」(1981)の続編で、キャスト陣は森田監督に縁が深い俳優・女優がそろった。「僕達急行 A列車で行こう」(12)で主演を務めた松山は「現場に入ったら、みんな(森田監督作品の)いろんな役を引きずっている人ばっかりだった。続編としてこういうふうにやるっていうのも、ひとつのオマージュというか、ラブレターだと思って感動したんです」と感慨深げに語った。

 一方、「間宮兄弟」(06)の本間夕美役で銀幕デビューを果たした北川は、今作の役名も夕美であることに触れ、「これは森田組の洒落なんだなと思ってフィッティングに行ったら、10年前に撮影した『間宮兄弟』の時の衣装がそこにあった。夕美が成長したらこんな感じだったんだろうなと考えてやろうと思いました」と撮影時の意気込みを明かした。

 さらに、「の・ようなもの」に出演し、今作でも同じ役を演じる伊藤は「35年経って続編ができるなんてありえない話。(『の・ようなもの』に出演した)尾藤(イサオ)さん、でんでんさんはじめ、誰も亡くならなかった。それがなかったらこの晴れ舞台もなかった。長生きに感謝ですね」と挨拶。これに松山と北川が「その通りですね」と同調し、会場の笑いを誘っていた。

 また、森田組で16作品にわたり助監督・監督補を務め、今作で監督デビューを飾った杉山監督は「(森田監督への)恩返しの思いを込めて作りました。今ここにいる3人のキャストの方々も同じような思いで出演して頂いたと思っています」と感無量の面持ち。最初は「森田監督や、『の・ようなもの』のファンの期待を裏切るようなことにならないかと尻込みした」と本音を吐露したが、「森田監督も自ら黒澤明監督のリメイクをするくらいですから、『自分の続編くらいやっちゃえ』という声が聞こえてきた。そうしたら、監督の遺産であるキャストやスタッフたちをふんだんに使って撮ってみようと決意しました」と満面の笑みを浮かべ、キャスト陣とともに仕上がりに胸を張っていた。

 「の・ようなもの のようなもの」は、東京・谷中を舞台に、生真面目な落語家“のようなもの”である志ん田(松山)が、かつての兄弟子・志ん魚を再び高座に立つよう説得しようと、奇妙な共同生活をスタートさせる様子を描く。2016年1月16日から東京・新宿ピカデリーほか全国で公開。第28回東京国際映画祭は、10月31日まで開催。