(左から)イジー・コネチニー、撮影監督のルカーシュ・ミロタ、
イェノべーファ・ボコバー、オルモ・オメルズ監督

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 第28回東京国際映画祭コンペティション部門出品作「家族の映画」が10月29日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで上映され、オルモ・オメルズ監督、女優のイェノべーファ・ボコバー、プロデューサーのイジー・コネチニー、撮影監督のルカーシュ・ミロタが会見した。

 冬休みを間近に控え、両親は一足先にヨットで休暇に出かける。留守番の姉と弟は羽を伸ばすが、両親の船が遭難し、思わぬエンディングを迎える。幸せな家族に訪れる変化と意表を突く展開をスタイリッシュな映像で描く。

 一家のペットである犬のオットーが作品で重要な役割を果たす。オメルズ監督は、ある家族が遭難し、愛犬が無人島でロビンソンクルーソーのような生活をしていたという記事に影響を受けたと明かし、「家族が問題を抱えながら機能している場面と、無人島でサバイバル生活をする犬の姿を対比させて見せることに興味を持ちました。犬は家族の比喩的な存在でもあったと思う」と本作での設定を説明する。そして、「親のいない子どもたち、子どものいない親、家族のいない犬という欠如を段階的に語りました。そして、犬によって家族を再生させる物語なのです」と語る。

 さらに「この映画の中では、人間を見て感情的になる要素はなく、犬を通じてすべての感情が生まれると思います。中心となる人物は特におらず、登場人物はそれぞれ距離を置いた描き方をしています。完全に感情的になれるのが犬のシーンなのです」と犬の存在を家族の中心に据えた意図を語った。

 無人島のシーンは、海外ロケを敢行。撮影監督のミロタは、俳優犬を使っての撮影について「犬の撮影は初めてで、熱帯の環境で撮影するのも初めてでした。プラハでオーディションをして、訓練士とともに何度もリハーサルをしましたが、その後、海外で同じ演技をしてくれるかが不安でした。最終的に3頭選び、交代で演じてもらいました」と振り返った。

 おとなしい姉役を演じたボコバーは、「私の私生活もアナのようです。友人のクリスティーナが弟にちょっかいを出すところを見たらつらくなります。アナはクリスティーナのような性格も認めて、いろんな性格の人がいることを尊重している役であったと思います」と役柄を分析。プロデューサーのコネチニーは、「『コーリャ 愛のプラハ』(1996)以来、東京国際映画祭でチェコの映画が上映されていないので、この機会を光栄に思います」と喜びを語った。

 東京国際映画祭は10月31日まで開催。