突然背中に激痛が走って動けなくなったり、一瞬ピキッと痛んで息苦しくなったりした経験はありませんか?「あの痛みはなんだったのか?」で済んでしまうことも多いこの症状ですが、実は「ぎっくり背中」かもしれませんよ。ここではあまり聞き慣れない「ぎっくり背中」について解説します。

ぎっくり背中、その症状とは?

ぎっくり背中になると「背中に急激な激痛が走った」「背中の筋肉や筋が攣ったようになった」「一定の角度に体を傾けると痛みが生じる」「息を大きく吸うと痛みが走る」などの症状が何の前触れもなく突然に現れます。その痛みかたも、激痛が走って動けなくなってしまうほどのものから、寝違えたように痛むもの、ピリッと痛んでから徐々に強く痛むものまで様々。痛む場所も腰より少し上の辺りから肩甲骨辺りまで背中の広範囲に渡って現れるという特徴があります。

そもそも「ぎっくり背中」って、ぎっくり腰とは違うの?

ぎっくり腰は突然腰が痛くなって動けなくなる症状のことで、主な原因が腰椎捻挫や椎間板ヘルニア、筋膜の損傷によるものです。それに対し、ぎっくり背中は主に背中の筋肉の筋繊維や筋肉を包む筋膜が微細断裂を起こすことが原因で発症するもので、軽度の肉離れのようなものだそう。

ぎっくり背中の原因と対処法を知っておこう

運動不足や同じ体勢を続けていることによる筋肉疲労(コリ)などによって、筋繊維の伸縮性が悪く筋肉が固い状態となっています。柔らかいゴムがよく伸びるのに対し、硬くなったゴムは引っ張るとすぐに切れてしまいますよね。それと同じで柔らかい筋肉は急な動きや衝撃にも耐えることができますが、固い筋肉は耐えることができず細かい筋繊維が切れてしまい損傷を受けるのです。
もしぎっくり背中になってしまったら、できるだけうつぶせで安静にして患部の炎症を鎮めるために冷やしましょう。受傷直後は筋肉が痛んでいる状態なので、マッサージや入浴は控えます。そのうえで整形外科を受診するというのが正しい対処法です。

ぎっくり背中は誰にでも起こりますから、日ごろから筋肉が固まらないように軽いストレッチや運動を心がけるのが理想です。寒くなったからといって縮こまらず、体を伸ばしてみることからはじめましょう。


writer:しゃけごはん