By Perspecsys Photos

iPhoneやiPadのロック画面を解除する度に入力を求められるのが4桁のパスコード。「iOS 9」ではこのパスコードがデフォルトで6桁に拡張され、持ち主以外が端末内のデータにアクセスすることはより困難になっています。そんなiOS端末内のデータにアクセスすることは想像以上に困難なようで、パスコードを知らなければAppleですらデータにアクセスすることは「不可能」と、Appleが裁判官に直々に回答していたことが明らかになりました。

Apple tells U.S. judge 'impossible' to unlock new iPhones | Reuters

http://www.reuters.com/article/2015/10/20/us-apple-court-encryption-idUSKCN0SE2NF20151020



ニューヨーク州ブルックリンのアメリカ合衆国治安判事が、司法省の押収したiPhoneに保存されているデータにアクセスできるように、Appleに対して技術的な支援を求めていたのですが、Appleは最新のOSを搭載したiPhoneの場合ロックの解除は「不可能である」と回答していたことが明らかになりました。

法廷文章によると、Appleは「90%以上のiOS端末がiOS 8以降をインストールしており、これらの端末のロックを解除するのは不可能」と返答した模様。iOS 8以降を搭載した端末では、端末のパスコードを知らない相手の場合、例えAppleであろうとも端末内のデータにはアクセスできないようになっているというわけです。



Appleはアメリカ合衆国治安判事のジェームズ・オレンスタイン氏に、iOS 8以前のバージョンを使っている10%未満の端末ならば、端末内のデータにアクセスすることは可能と述べています。ただし、抽出可能なデータは限られる模様。さらに、Appleの弁護士は「Appleにデータの抽出を強要する今回のケースは、これに従うべきという明確な法的権限がない限り、Appleと顧客の関係やAppleブランドを脅かすものになる」とコメントしています。

なお、iOS 8以降でデータの暗号化が強化された背景には、エドワード・スノーデン氏によるNSAのスパイ行為の暴露があるようです。