フォルクスワーゲン排ガス不正問題で危機一髪脱出したスズキの提携解消が「神回避すぎる」と話題に

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ドイツの自動車会社フォルクスワーゲン(VW)によるディーゼル車の排ガス不正操作問題が、欧米で大スキャンダルに発展しているが、この事件発覚直前に提携を解消していたスズキが「神回避」とネット上で大きな話題となっている。

スズキは8月30日にVWとの2009年に結んだ包括的提携を解消、国際仲裁裁判所を通し、VWが保有する19.9%の株を取り戻していた。

スズキは2011年にイタリアのフィアットからディーゼルエンジンの技術を購入することを決定したことで、クリーンディーゼルエンジンの技術提供を含むVWとの提携関係も悪化し、VW社とのパートナーシップが破断のきっかけになったことでも知られる。

もともとスズキの軽自動車のノウハウと、VWのディーゼルエンジン技術の技術交換による提携とも言われた2社の関係だが、結局のところVWから技術の提供が行われなかったことが提携解消の裏側にあったと言われているが、不正発覚によりネット上でも「クリーンディーゼル技術が嘘だったため提供することができなかったのが正直なところでは?」との意見も。

事件発覚後には「VWと手を切ったスズキの会長、タイミングが神がかりすぎ」「ひょっとして国際仲裁裁判所に仲裁を求めてまで提携を切ったのは、スズキは以前からこの不正を知っていたか気がついていたのかもしれない」「巨額の資金を捨ててまで提携解消した理由は、鈴木会長の凄い眼力なのか?業界ではすでに有名な不正行為だったのか」「スズキが提携切った途端にVWの排ガス偽装バレるとか凄え」「良いタイミングでVWのグループから抜けたな。いつもながらヒラリと危機をかわすスズキは強運の持ち主だな」など、泥舟から間一髪で脱出した鈴木会長は強運なのか?もともと知っていたのか?と議論は続く。

いずれにしても今後VWには、米国の大気汚染化法の違反による48万2000台を対象に、最大で180億ドル(2.1兆円)という前代未聞の制裁金が課せられることも明らかになっている。日本国内では軽自動車の好調を支えリードしてきたスズキだが、もしVWグループ傘下に残っていた場合、売却など多かれ少なかれダメージを負っていたのは確実。VWの大量のスズキ株を取り戻したタイミングといい、まさに危機一髪の神回避といえるだろう。



■参照リンク
フォルクスワーゲン公式サイト