「歌舞伎座スペシャルナイト」に臨む片岡愛之助 (C)松竹

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 第28回東京国際映画祭(10月22〜31日開催)で実施される特別上映イベント「歌舞伎座スペシャルナイト」で、歌舞伎俳優・片岡愛之助が日本映画界の巨匠・黒澤明監督作品とコラボレーションすることがわかった。イベントでは、片岡による歌舞伎舞踊「雨の五郎」が上演され、その後に黒澤監督作「虎の尾を踏む男達」が上映される。

 昨年の第27回東京国際映画祭で初めて企画され、好評を博した「歌舞伎座スペシャルナイト」が今年も開催。日本が世界に誇る歌舞伎舞踊や、日本映画の名作を東京・東銀座の歌舞伎座で楽しむ一夜を演出する。片岡は、「歌舞伎も映画同様娯楽です。見たことのない映画、新作映画には興味を持って劇場へ足を運ばれるように、歌舞伎にもこの東京国際映画祭プレゼンツ『歌舞伎座スペシャルナイト』をきっかけに、足をお運びいただければ本望です」と呼びかけている。

 さらに、片岡は「雨の五郎」について「春雨の中、遊女・化粧坂少将(けわいざかのしょうしょう)の恋文を手に廓(くるわ)へ通う五郎の色気とカラミとの豪快な立ち回りが見どころです」と説明。「見得を切るようなザ・歌舞伎という場面もある、歌舞伎らしい華やかさが満載です」とアピールしている。

 歌舞伎十八番のひとつに数えられる「勧進帳」を題材にした映画「虎の尾を踏む男達」は、1945年に完成したものの、日本の検閲官が「勧進帳」を愚弄(ぐろう)していると言及したことで、7年間にわたり存在自体が封印されたという逸話を持つ作品。また、戦後日本の占領にあたったGHQは、歌舞伎そのものを「封建的道徳を賛美し、民主化の妨げになる」とし、多くの演目を上演禁止に処していた。その時代にあって、「虎の尾を踏む男達」はGHQの映画部門担当官の目に止まり、政治を超えた芸術への理解を得た結果、1952年4月24日に劇場公開された。

 片岡は、同作に対し「歌舞伎の演目が題材に選ばれていますので、歌舞伎俳優としてはうれしい作品です」とコメントを寄せる。そして、「検閲に引っかかりましたが、GHQの方々のご尽力で、歌舞伎と同様に復活できた歴史を持つ作品が、戦後70年目の節目に歌舞伎座で上映されることには、ご縁を感じます。『雨の五郎』とともにぜひ楽しんでいただければと思います」と語っている。

 「歌舞伎座スペシャルナイト」は、10月26日に歌舞伎座で実施。10月3日の午前10時から、特性弁当付きチケット(税込1万円)が販売開始される。