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中高生の卒業ソングとしても知られるようになった、人気ボーカロイド楽曲の世界観を実写映画化した『桜ノ雨』(2016年春公開)の主演が、女優の山本舞香に決定し、制服姿のメインビジュアルが11日、公開された。

「桜ノ雨」は、2008年2月にhalyosy氏が初音ミクを使用し、ニコニコ動画にて発表した楽曲。関連動画再生数は3,000万超を記録し、2009年、2010年春と合わせて200を超える中高の卒業式で合唱された。2012年には、PHP研究所より小説版を刊行。halyosy氏自身が原作・原案として参加し、「音浜高校合唱部」を舞台に、ボーカロイド・キャラクターたちの青春群像劇に仕上げた。今回の映画は、20万部を超えるヒットとなった小説版を原作としている。

未来(ミク)役に抜てきされた山本舞香は、本作が映画初主演作。宮沢りえ、蒼井優、川口春奈といった名女優を多数輩出してきたリハウスガールの14代目を務め、昨年までファッション誌『ニコラ』(新潮社)の専属モデルとしても活躍。昨年から今年にかけて『劇場版 仮面ティーチャー』(14年)、『暗殺教室』(15年)、『Zアイランド』(15年)などの映画に出演するなど、女優としての経験も積んできた。未来が思いを寄せるハル役は、昨年のNHK連続テレビ小説『マッサン』の鴨居英一郎役で注目を集めた浅香航大。2人のほか、蓮(レン)役を広田亮平、瑠華(ルカ)役を久松郁実がそれぞれ務める。ロケは全て静岡県内で行われ、四季折々の当地の自然を背景に、郷愁を喚起する物語を描く。

山本は、「台本を読んだ時、未来は自分には難しい役だなと思いました」と振り返り、「私は人見知りだけど内気ではないので、こんなに内気で言葉をのみ込んでしまう女の子を演じることができるか少し怖かったです」と吐露。しかし「何度も(原作を)読んで未来のキャラクターを自分なりに作っていき」、ウエダアツシ監督のサポートのもと、今では「初主演が『桜ノ雨』という親しみのある作品で良かったと思います。『合唱ってすごいな』と思っていただけるとうれしいです」と胸を張れるようになった。劇中では初めて、歌のソロパートも披露する。

浅香は、撮影前からピアノの練習を開始し、「撮影でもピアノの演奏シーンや手元のカットで吹き替えを使わずに全て僕自身で演じる事ができたことに達成感を感じています」と自信たっぷり。山本と同様に「音楽の素晴らしさをたくさんの方に感じていただきたいと思い作品に取り組みました」とアピールしている。

ウエダ監督は、山本を「合唱練習にも積極的に参加し、役柄と真摯に向き合い、理解し、自分のものにしようと努力する姿勢はとても17歳の女優さんとは思えないほど」と絶賛。「何より純粋で少し不器用な17歳の主人公の揺れ動く心情をセンシティブな表情や仕草で見事に演じてみせるその姿は息をのむものがありました」と太鼓判を押す。

halyosy氏は、映画化のオファーが来た際には「『なぜ僕の曲が…』と疑問を感じていました」「当時はボカロ曲の映画化は珍しく、不安だったのです」と原作者ゆえの憂慮もあったという。しかし、キャストや学生らの合唱の練習を見学した時、「この映画の最大の武器は歌だ! と強く感じました」「音楽で心情を表現する事は、こんなにも重要なのだと痛感しました!」と、楽曲制作者ならではの喜びもあった。そして、完成した作品を鑑賞した時には「クレジットに僕の名前が出た時、思わず目頭が熱くなってしまい…感激です!」と歓喜。「この映画を通じて、合唱してみたいなと思われた方。ぜひ挑戦してみてほしいです」と力強く語った上に、「青春は、いつでも取り戻せる事を、この映画は教えてくれました」とメディアミックスを通じての発見も言葉にした。

なお、本作は10月22日より開催の第28回東京国際映画祭への出品も決定。2015年から新設される"パノラマ部門"の上映作品となっている。

(C)2015 halyosy、藤田遼、雨宮ひとみ、スタジオ・ハードデラックス/PHP研究所/『桜ノ雨』製作委員会