「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」 (C)2014 sphinxproductions

写真拡大

 アメリカ・インディペンデント映画の父、ロバート・アルトマン監督の人生に迫るドキュメンタリー「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」の公開を記念し、アルトマンファンを公言する映画評論家やアーティストが選んだ「私が好きなアルトマン映画1本」が発表された。

 アルトマン生誕90周年を記念し、10月3日に公開するドキュメンタリーは、カンヌ映画祭グランプリ受賞のヒット作「M★A★S★H マッシュ」(70)撮影時が44歳という遅咲きの映画監督でありながら、「ロング・グッドバイ」「ナッシュビル」「ザ・プレイヤー」「ショート・カッツ」「ゴスフォード・パーク」などバラエティ豊かな39作を発表してきたアルトマン監督の型破りな映画人生と、巨匠を敬愛する俳優や監督によるインタビュー、私生活でのホームムービーなどを収めた映画ファン必見の一作だ。

 アルトマンファンが選んだ作品とコメントは以下の通り。

▽町山智浩(映画評論家) 「ロング・グッドバイ」
アドリブ、重なるセリフ、中心なき群像劇……ハリウッドがやらないことだけをやり続けたアルトマンに、ポール・トーマス・アンダーソンやガス・バン・サント、それに「桐島、部活やめるってよ」の原点がある!

▽菊地成孔(音楽家・文筆家) 「ロング・グッドバイ」
容貌も仕事ぶりもO・ウェルズをトレースしたかのようなアルトマンの、人情味溢れまくりの天才ぶり。我々は斜に構えるのはもう止めるべきだ。

▽ピーター・バラカン(ブロードキャスター) 「ザ・プレイヤー」
オルトマンの作品で好きなものとそうでないものがはっきり分かれますが、このドキュメンタリーを見て、リアリティ好きで商業主義嫌いな彼と友だちになりたかった、そう思いました。そして傑作「ザ・プレイヤー」をもう一度見たくなっちゃった!

▽小山薫堂(放送作家・脚本家) 「ザ・プレイヤー」
革新の連続によって映画を芸術に昇華させた、自分にとってのクリエイティブの神様。
その最も深い部分に、まさか、これほど、平凡な×××があったなんて!

▽山田五郎(評論家) 「M★A★S★H マッシュ」
どんな環境でも自分がやりたい仕事を形にできるのが真のプロ。
やればできるし評価は後からついてくると、アルトマンは教えてくれる。

▽田口トモロヲ(俳優・映画監督) 「M★A★S★H マッシュ」
中学の時、映画「M★A★S★H マッシュ」を観て人生が変わった。今、アルトマンの魔法のピースが解き明かされる。ヤリたいことのみヤリ通した旺盛なる反骨者の人生に刮目せよ!!

▽柄本佑「ナッシュビル」
あの「ロバートアルトマン」が喋り、動く姿を観れ、声を堪能できたことに大興奮! 大満足! 同時に近作を観たら「自分がリアルタイムで感じていたアルトマンは本当に後期だったのか」と悔しい思いもありました。

▽栗田豊通(映画撮影/「クッキー・フォーチュン」撮影) 「ロング・グッドバイ」
一見なにげないシーンは、高度なクラフトとエゴ渦巻く才能たちを手なずける手練手管の数々、そして包み込まれるような安心感に担保されている。<砂のお城>作りに嬉々として興じたあと、ふと映画作りのプロセスがこんなに面白いものだとあらためて思う。

▽巽孝之(慶應義塾大学教授・アメリカ文学専攻) 「ショート・カッツ」
行き当たりばったりの即興と計算し尽くされた群像劇とがまったく矛盾しない物語学ーーその奇跡的瞬間を、われわれはアルトマネスクと呼ぶ。

▽立川談笑(落語家) 「ロング・グッドバイ」
常識破り。大胆で繊細。世渡り下手は運で乗り切る。すべて素敵すぎる!
「談志、志ん生、アルトマン」と並べたい。大好き!

▽大友啓史(映画監督) 「ザ・プレイヤー」
冷笑している暇はない。真っ直ぐな愛情を注ぎこむ、ただそれだけでいいのだ。
ユーモアの真髄と物語の核心はそこに現れる。そう、アルトマンの人生とこの映画のように。

▽樋口泰人(映画評論家、boid主宰) 「ゴスフォード・パーク」
始まった映画はいつか終わる。そして映画自体もいつか終わる。アルトマンの映画にはいつもそんな終わりへのまなざしがあった。そしてそれ故の自由と永遠があった。悲しみに満ちた勇気が充満していた。そのおかげで世界の映画人たちは新たな一歩を踏み出すことができたのだ。

▽井筒和幸(映画監督) 「M★A★S★H マッシュ」
テレビ史に輝く50年前の「コンバット」から画面に釘づけだった。人間を観察するのは得意で、誰より自由に毒を吐いた作家だ。まるでオレか。

 「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」は、10月3日YEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。