「ヴィオレット ある作家の肖像」日本版ビジュアル (C)TS PRODUCTIONS - 2013

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 6月開催のフランス映画祭で上映された、エマニュエル・ドゥボス主演作「ヴィオレット」が、「ヴィオレット ある作家の肖像」の邦題で、12月19日公開することが決定した。実在の女性作家ヴィオレット・ルデュックの波乱に満ちた半生を、「セラフィーヌの庭」のマルタン・プロボが映画化した。

 日本では、代表作である小説「私生児」の邦訳が1966年に、「ボーヴォワールの女友達」が1982年に出版されたのみで、本国フランスでも一時期は忘れられた作家だった。しかし、本作公開を機に、フランスでは全集も出版されるなど再び大きな注目を集め、「第二の性」を発表した際のシモーヌ・ド・ボーボワールのように、時代を変えた作家として再評価されている。

 セザール賞ノミネート5回、2度の受賞に輝く名女優ドゥボスが、鼻にコンプレックスを持っていたヴィオレットを演じるために「付け鼻」をつけて愛を求め続けた作家を熱演する。共演はサンドリーヌ・キベルラン、オリビエ・グルメ、オリビエ・ピィら。ヴィオレットが生きた1940年代〜60年代の新しい文化が花開こうとしている時代のパリや、当時のファッションも見どころだ。

 1907年、私生児として生まれたヴィオレットは、ボーボワールと出会い、才能を認められ、戦後間もない1946年に処女作「窒息」を出版。女性として初めて、自分自身の生と性を赤裸々に書き、カミュ、サルトル、ジュネら錚々(そうそう)たる作家に絶賛されたものの、当時の社会には受け入れらなかった。傷ついたヴィオレットは、パリを離れて南仏に移り、そこで自身の集大成ともいえる新作「私生児」の執筆にとりかかる。

 「ヴィオレット ある作家の肖像」は12月19日岩波ホールほか、全国順次公開。