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「1、2、3、チャラ〜〜ン!」

 弟子や介護人に助けられ、ヨタヨタとした足取りで現れた。さらに座布団に座るまでの辛そうな様子に、胸が潰れそうになった方も多かっただろう。

 今年の『24時間テレビ』(NTV)で久々に公の場に現れた林家こん平(72)の姿(注1)は、やはり長い闘病の苦労を思わせた。が、必死に得意フレーズである「チャラ〜〜ン」を絞りだす姿が、視聴者の感動と反響を呼んだ。

 むろん『笑点』(NTV)で長年苦労を共にした仲間である桂歌丸や三遊亭圓楽や林家木久翁も、涙ぐんでいたことは言うまでもない。

「ずっと隣に座ってたからねえ。感無量ですよ」(圓楽)
「こんちゃんの姿見て、涙が止まらない」(木久翁)
「こんちゃん、頑張ったね。何も言葉が出ないですよ」(歌丸)

 と、難病である多発性硬化症と闘いながら、11年ぶりに笑点の舞台に上がった こん平との再会を喜んでいだ。われわれ視聴者も、まだまだ病気との闘いが続くこん平の全快を祈るのみ。

待ったなしの高齢化番組

 ……しかし別の意味で厳しい局面を迎えているのが、『笑点』という番組。この『24時間テレビ』でも羽鳥慎一アナウンサーの呼びかけに歌丸が反応できず、あわてて林家たい平がとりなす場面があった。無理もない話で、歌丸は79歳。6月に腸閉塞で入院して8月に復帰したばかり。その間、司会を勤める『笑点』の収録を8回分休んでいる。

 他のメンバーも木久翁77歳、円楽65歳、たい平50歳に加え、三遊亭好楽69歳、三遊亭小遊三68歳、春風亭昇太55歳。たい平と昇太を除けば残りは還暦過ぎで、うち2人が「後期高齢者」に指定されるという超・高齢化番組だからだ。

「特に司会の歌丸はここ数年、何度も病気で収録を欠席している。日本テレビとしても“不測の事態”を考えて、いく人か新司会者候補をしてきた。噂にのぼったのは萩本欽一、西田敏行、タモリ(注2)あたりですが、現メンバーから“落語家の番組なんだから司会は落語家で”という反発もあり、進行していません」(スポーツ紙芸能担当記者)

『笑点』は楽しい笑いを届け、お年寄りを中心に高い視聴率を誇る人気番組。かつてレギュラーの三遊亭小圓遊が急逝したとき(注3)、番組全体が消沈してしまった教訓を忘れてはいけない。こん平が病で倒れた後は、弟子のたい平が入った。いずれ木久扇も、息子の木久蔵を代わりに入れると見られている。歌丸が後継を見つけて道を譲れば、メンバーの平均年齢はグッと下がるのだ。

『笑点』のお題風に、あいうえお作文で言えば……

「し」んどくなる前に
「ょ」うじょう(養生)しようよ
「う」たまる(歌丸)さん
「てん」ごく(天国)で先代・圓楽も心配顔

(注1) 林家こん平…新潟出身の落語家。ひたすら明るいキャラクターだっただけに、リハビリ映像は衝撃的だった。
(注2)タモリ…実は日本テレビと確執があり、その修復を狙った側面も。
(注3) 小圓遊の急逝…1980年、享年43。『笑点』では、歌丸との罵詈雑言合戦が笑いを呼んでいた。

著者プロフィール

コンテンツプロデューサー

田中ねぃ

東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ