ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 中尾拳也&上村海成インタビュー「この舞台に役者人生を賭けています!!」
公演を間近に控えたミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs聖ルドルフ。若手俳優の登竜門とされるこの舞台に、今作より登場する聖ルドルフ学院3年生で部長を務める赤澤吉朗役の中尾拳也、2年生の金田一郎役の上村海成のふたり。物語の中でダブルスとしてペアを組む彼らが舞台への熱い思いを語ってくれた。

撮影/すずき大すけ 取材・文/大野奈緒美 ヘアメイク/山崎初生

僕たちが新しい風を吹かせたい



――2ndシーズンでは「青学vs聖ルドルフ・山吹」として描かれていた物語が、3rdシーズンでは「青学vs聖ルドルフ」として、新たに紡ぎ直されることになりました。

中尾 僕たちも楽しみです。観てくださる方の期待も大きいと思うので、それに応えられるように頑張りたいです。
上村 (佐川)大樹演じる聖ルドルフの副部長、ノムタク(野村拓也)もミュージカル初登場になりますしね。
中尾 僕たちが新しい風を吹かせられるように、精一杯やっていきたいです。

――全国からスポーツ特待生として優秀な人材を集めているエリート集団・聖ルドルフのなかにあって、中尾さんが演じる部長の赤澤吉朗、上村さんが演じる金田一郎は生え抜き組のペアですが、どんなキャラクターですか?

中尾 赤澤は部長として、外部から来たエリートの生徒たちを引っ張っていける実力もあるし、自分の感情をコントロールする力も持っている男で。だからこそ同じ生え抜き組で、後輩の金田からも慕われているんだと思います。
上村 金田はとにかく真面目。全国から集められたエリートの選手がいるなか、頑張ってレギュラーの座を勝ち取っただけあって、粘り強さも人一倍あります。

――お互い、役と似ているなと感じる部分はありますか?

上村 僕は拳也さんと初めて会った瞬間、「あ、この人が赤澤だ!」ってわかりましたよ。
中尾 色が黒いから?(笑)
上村 それも含めて、見た目が赤澤そのものだなと思いました。でも、しゃべってみたら全然違いましたね。怖さ、どこにもないです(笑)。超やさしいです。

――中尾さん自身は、赤澤との共通点はどこかに感じていますか?

中尾 僕は小学生のときから、体育祭の応援合戦とか学校行事のときには“長”をずっと務めていたんですけど、赤澤とは引っ張り方が違うかなと。
上村 拳也さんは「ついてこい!」って感じではないですもんね。
中尾 うん。どちらかというと僕は、周りを見ながら徐々にまとめていくタイプ。

――上村さんと金田は似ていますか?

上村 それがあんまり共通点はなくて。たとえば自分がちょっと寝坊したら、「あ、金田だったら寝坊しないな」みたいに、金田と自分の似ていない部分を見つけては、それを役作りに活かすってやり方をしています。
中尾 金田には試合中に豹変して、先輩の赤澤を「バカ澤コノヤロウ!」って怒鳴ったりするんですけど。あんな感じで海成も、ふとしたときにズバッと厳しいことを言うんですよ(笑)。

――たとえばどんなことを…?

上村 何か言ってたかなぁ?
中尾 本人は意識してないんです。でも、今日の撮影でも僕が「汗っかきなんですよ」ってカメラマンさんに言ったら、「プロじゃないね」ってボソっとつぶやいてたし(笑)。
上村 気をつけます!(笑)
中尾 別に意地悪とかじゃなく、人をハッとさせてくれる言葉を海成は持ってるんですよ。普段どちらかというと物静かだから、ふとした言葉にドキッとするのかもしれない。