厳選!2歳馬情報局(2015年版)
■第13回:ケイブルグラム

 2015年の3歳牝馬クラシック戦線において、大きな注目を集めたルージュバック(牝3歳/父マンハッタンカフェ)。同馬は、牡馬を相手にデビューから破竹の3連勝を飾ると、クラシック戦線の確固たる「主役」として浮上した。3連勝中には、芝のレースとなって以来、牝馬として初めてGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)を制すという快挙も成し遂げた。

 3戦全勝で春のクラシックに臨んだルージュバックだったが、その舞台では涙をのんだ。一冠目となるGI桜花賞(阪神・芝1600m)は、スローペースに泣いて9着と大敗。リベンジを誓った二冠目のGIオークス(東京・芝2400m)でも、積極策を見せて奮闘したものの、惜しくも2着に敗れて栄冠獲得には至らなかった。

 とはいえ、ルージュバックの実力が世代トップクラスだったことは間違いない。そして、この姉の活躍により、ルージュバックの弟に対する注目も高まっている。今年デビューを控えるケイブルグラム(牡2歳/父ディープインパクト)である。

 姉が活躍する中、デビューへ向けた育成を行なってきたケイブルグラム。担当したノーザンファーム空港牧場の高見優也氏は、春の取材において、同馬の印象をこう語っていた。

「(ケイブルグラムは)こちらの牧場に来るのが少し遅かったのですが、来てからは順調にメニューを消化してきました。最初のときから『いい馬だ』と思いましたし、馬体のサイズも大きくていい感じですね。(デビューへ向けた移動は)夏を越えてからになるでしょう」

 姉のルージュバックは、牝馬らしい450kg前後の馬体重だが、弟は牡馬ということもあり、500kgを優に超える大きな体の持ち主。その辺りからは、姉と違った力強さが期待できそうだ。

 なお、ルージュバックの父はマンハッタンカフェだったが、ケイブルグラムはディープインパクトに代わった。その点について、高見氏はこんな印象を口にした。

「ケイブルグラムは、走り出すとしなやかで、跳びも大きいんですよね。父ディープインパクトのよさが出ているように感じます。レースに行っても、ディープインパクト産駒らしく、じっくり溜めれば最後にキレるタイプなのではないでしょうか」

 父ディープインパクトは、2005年のクラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を合わせ、GI7勝の実績を残した名馬。そして、ケイブルグラムの母ジンジャーパンチは、アメリカのGIを6勝した名牝である。血統だけを見ても、世代屈指の存在と言えるだろう。

 高見氏のコメントどおり、ケイブルグラムは秋以降のデビューを予定している。もちろん目指すは、翌年の3歳クラシック制覇。はたして、姉以上の活躍を見せることができるのか、陣営やファンの期待は高まるばかりだ。

河合力●文 text by Kawai Chikara