富士フイルムは17日、DHCが製造販売しているスキンケア化粧品「アスタキサンチンシリーズ」のジェルおよびローションが、同社所有の「アスタキサンチンに関する特許権」を侵害しているとして、東京地方裁判所に同製品の製造、販売などの差し止めと損害賠償を求める訴訟を起こした。

 同社がDHCによる侵害を主張している特許は、「アスタキサンチンを含む分散組成物およびスキンケア用化粧料に関する特許」。抗酸化成分のアスタキサンチンは、自然界に広く分布している天然由来の成分で、カロテノイドの一種。強い抗酸化力を持つが、不安定で扱いづらく、従来の技術では安定的に化粧品に配合することが難しいという課題があった。

 同社では、独自の技術でこの課題を解決、化粧品への安定配合に成功していた。同社は、アスタキサンチンを安定配合したスキンケア化粧品を平成19年に発売している。