「ねぼけ」ポスター画像

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 数々の受賞歴を持つプロカメラマン・壱岐紀仁が脚本・撮影を兼ね初監督した映画「ねぼけ」が、カナダで開催される第39回モントリオール世界映画祭のファーストフィルム・ワールドコンペティション部門に正式出品されることが決定した。

 作品は、日本の伝統「落語」に生きる売れない噺家・三語郎と、神話の国・宮崎に伝わる古い「信仰」と取り戻せない過去に生きる女性・真海の愛と葛藤を中心に人間模様を描く群像劇。壱岐監督は、「『落語の“心”を映画にしたい』、この想いだけを胸に、資金も人脈も全くゼロからはじめた無名の小さな自主映画が、このような大きな檜舞台に立てたのは、MotionGalleryを通したクラウドファンディングという新しい映画の在り方に出合えたからです。今回のノミネートが、未来の映画界を担う若き監督たちのマイルストーンになることを願っています」とコメントしている。

 キャストは、主人公・三語郎を演じる友部康志をはじめ、つかこうへい門下出身役者陣が多数出演。さらに、真海役にモデルとしても活躍する村上真希が共演、三語郎の師匠役として本物の噺家である入船亭扇遊が映画初出演したほか、秋山勇次、大竹佳那、吉田智則らが出演している。音楽は織田祐亮。主題歌はイノトモの「イトナミ」。

 本作は、クラウドファンディング・プラットフォーム「MotionGallery」で一般から支援金を募って製作されたインディペンデント映画。「落語」に本格的に取り組み、“古今亭志ん生”の愛したネタ「替り目(かわりめ)」を扱い、神話の国・宮崎の神楽の祭礼を実際に撮影し、「蛇切り(じゃぎり)」と呼ばれる真剣を用いた鬼気迫る神楽シーンも見どころとなっている。また今回、扇遊の出演がきっかけとなり、六代目席亭・鈴木寧氏の粋な計らいにより落語の殿堂・鈴本演芸場で高座シーンロケを敢行した。

 作品を鑑賞した角田光代、松尾貴史、柳家三三、古今亭菊之丞、春風亭一之輔ら著名人から続々絶賛コメントが寄せられている。角田は「何かと真剣に向き合うことは、こんなにもむずかしい。だれかと本気で向き合うことは、こんなにも苦しい。だからがんばれ、とはけっして言わない映画です。それが新鮮でした」と述べている。2016年公開予定。