2015年08月10日
TEXT:小川 浩(シリアルアントレプレナー)



AppleのWebサイトは世界最大のオンラインストアのひとつだが、事前予告なく突然リニューアルし、スムースにサービスを開始した。

AppleのWebサイトはいままで、プロダクトの紹介セクションとオンラインストアが明確にわかれていた。それが今回のリニューアルでなくなり、各プロダクトの説明ページにEC機能を融合した形となった。Webサイトの右上にはバッグのアイコンがあり、カートに商品をいれるとアイコンに丸いマークがついて、商品が残っていますよと教えてくれる。非常にシンプルなつくりになったといえよう。

さらに今回の変更と同時に、WebサイトがレスポンシブWebデザイン×シングルカラム(シングルカラムであるのは前からだが)となり、最近の流行であるモバイルを優先した構造に切り替わった。

以前のWebサイトを使い慣れた身にとって新しいWebサイトは一瞬戸惑ったが、慣れてしまえば非常に使い勝手が良くなった。特に、モバイルから見るととてもわかりやすい。モバイル上では、オンラインストアの使い方についてのヘルプセクションがわかりやすいところに設置してあり、戸惑うことはないだろう。

この変化が8月に行われたのは、もしかすると9月に予定されていると噂される新型iPhoneの発売に備えてのことかもしれない。同時に新AppleTVの発売もありえるので、いまのうちに新EC機能に慣れさせてしまおうという腹づもりなのかも、だ。

2015年となったいま、MacやiPhoneのような比較的高額な商品でさえも、モバイルから購入することに消費者は慣れている。というよりもモバイルECは、EC業界の主力戦場になることは疑いない。AppleがWebサイトをリニューアルしたのも、その備えだ。

AppleのWebサイトは世界でもトップクラスの効率を誇り、多くの支持を得てきた。そのWebサイトがモバイルファーストに生まれかわった以上、いままでのようなPCオリジンの複雑な構造(3カラムで小さなフォントや細かい画像をふんだんに使うような“古臭い”デザイン)を採用している企業は、いますぐ心を入れ替えて、シンプルでポートレート(縦型)に合わせたデザインにつくり変えるよう、Webサイト制作チームに指示するべきである。

それも、“いますぐ”にだ。

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[筆者プロフィール]
おがわ・ひろ●シリアルアントレプレナー。著書に『ビジネスブログブック』シリーズ(毎日コミュニケーションズ)、『Web2.0BOOK』(インプレス)、『仕事で使える!「Twitter」超入門』(青春出版社)、『ソーシャルメディアマーケティング』(ソフトバンククリエイティブ/共著)などがある。
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