【心霊】トンネル、廃墟で途中下車!? 「タクシーで行く、心霊スポット巡礼ツアー」体験レポ

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7月24日〜9月4日で実施される。三和交通が企画する。「タクシーで行く、心霊スポット巡礼ツアー」のレポートをお願いします。(るぱんさんのキニナル)

【写真】「タクシーで行く、心霊スポット巡礼ツアー」スタートからラストまで

※本記事は2015年7月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。

最近生きる意欲が低い。高い目標もなく、自炊を怠り、人と接することをしんどく思う。

そんなとき、思い出した言葉がある。「さあお前を抱いてやろう。死に抱かれて初めて、お前は生にどん欲になる」という、誰だかの絵の中の、死神の言葉である。

死神に抱かれるのは大分重いから、まずはちょっと霊に抱かれて、生きる活力を取り戻してこよう!! むしろ、霊にでもいいから抱かれたい・・・と思い立った今日このごろ。三和交通の「タクシーで行く、心霊スポット巡礼ツアー」に「霊とか信じてない」という、はまれぽ編集部・強がり・山岸と行った。

そんな、ぜったい怖くないよ〜

と高を括る山岸と、夕暮れの新横浜にて、三和交通本社営業所へと向かった。

本社の前までやって来ると、「横浜で一番やさしいタクシー会社で働いてみませんか」という看板が。

心霊ツアーの取材だからだろうか、なんか見るもの見るものなんかありそうに感じてしまう。果たして無事に帰ることができるのだろうか。

この日お話を伺ったのは広報担当の瀧口さん。
瀧口さん、すっごく明るくてお元気な方。家から作ってきた恐怖心を、良くも悪くも一瞬にして吹き飛ばしてくれた。

瀧口さんには会社のことからツアーの成り立ちなど、いろいろなお話を伺った。

三和交通は1965(昭和40)年にここ、新横浜の営業所で設立された。「地域に愛されているタクシー会社でありたい」という目標のもとに、横浜を中心に営業している。

現在はここ本社営業所のほかに、県内に2ヶ所、県外は東京・埼玉に全部で8ヶ所の営業所がある。

本社営業所には140台もの車両があるという、県内でも最大規模のタクシー会社だ。

「横浜で一番やさしいタクシー会社」とは

「横浜で一番やさしいタクシー会社」とは約15年前から謳われている同社の標語。横浜で生まれ、横浜で成長してきた企業だからこその地域愛を大切にし、地域の方に安心して利用してもらえるよう、3代目社長が考案した社訓を、皆さん全て暗唱できるまで読みこんでいるのだそう。

「横浜で一番やさしいタクシー会社」の具体的な事業内容はというと、とてもきめ細かくて驚いた。

子育てや子どもの安全をサポートする「キッズタクシー」、

具合の悪い方、妊婦さんなどに配慮したゆっくり運転してくれる「タートルタクシー」、

妊婦さんをスムーズに病院へ連れて行ってくれる「陣痛119番」など。

困った時に積極的に協力してくれるタクシーがいたら、街にとって心強いよなあ。

そんなやさしく頼れるタクシー会社が「心霊スポット巡礼ツアー」とは。一体何があったのだろう。

「心霊スポット巡礼ツアー」企画のきっかけ

この企画を実施するきっかけとなったのは、3代目社長のひとことから。2015(平成27)年5月「何か夏に会社のPRとなるイベントをやろう」と思いついたのだという。

「夏=心霊、夜タク=シンレイ(?)だよね!!」と決まったらしい。

瀧口さんいわく「このようなツアーは当社、いやタクシー業界でも初めての試みです」とのこと。

企画が決まり、情報を公開したのは7月3日。当初は2〜3組ぐらいの申し込みが来ればよいだろう、と思っていたそうだが、実際はすぐに予約がうまり、現在キャンセル待ちが30〜40組もいる。名古屋や奈良からの参加者もいるのだとか。

ツアー期間は2015(平成27)年7月24日(金)〜9月4日(金)までの、毎週金曜・土曜。1日限定1組で、料金は1台6000円。運行時間や距離を考えると、とってもお得な値段だそう。出発は午後9時に新横浜駅から。約1時間30分かけて知る人ぞ知る、新横浜周辺の心霊スポットを巡っていく。

1日限定1組の理由は「ツアー開始は夜遅めの時間からがいい、と午後9時スタートにしています。2組目の出発時刻を午後10時半以降にすると、お客様のお帰りの時間が心配なため、1日1組限定とさせていただきました」とのこと。

何故場所が新横浜周辺なのかというと、ズバリ「地元だから」。ということで、コース内容はここら一帯の道を熟知している同社ドライバーにアンケートを取った上で「心霊スポットとしてメジャーな場所」「地元の方しか知らない場所」「運行しやすい道」などを考慮に入れ、4つの場所に決定した。

こちらのコースは、外部に情報が漏れないよう、実際に運転するドライバーさん2人と数人の関係者にしか明かされていない。

「あまりにも悲しい過去のある場所や、近隣の方へ迷惑になる場所にはいきません。あくまでも“怖い噂”がある場所にお連れします。このツアーでは、普段と違うシチュエーションでタクシーに乗っていただき、ゆっくりと楽しんでいただくことが目的です」と瀧口さん。

ちなみに、こちらのツアーをやるにあたって、国土交通省の認可を取っているそう。走行距離(約19km)・時間(90分)・運賃(6000円)と条件が合ったため認可されたとのこと。この認可が取れないと運行ができないというので、瀧口さんはだいぶ悩んだのではないだろうか。

と、ここらへんでいよいよツアーに出発したいと思います。瀧口さんありがとうございました。

いよいよ乗車! 出発! 

いざツアーに出発。連れ出してくださるのはドライバー歴6年の落合さん。
なんと、バイク事故で一度死にかけてから、第六感が強くなった、という落合さん。それって前フリですよね? ほんとじゃないですよね?

…ほんとでした。

そんな目がマジな落合さんから、出発前の手続きをしていただきました。

渡されたのは、せ、誓約書・・・!?

前フリだよね? ねえ前フリって言って!!

万が一何かあった時責任を取ることができないため、一筆書くという、真面目な誓約書。
「何が起こるか予測がつきませんので、参加後に心身などに異常をきたしたとしても主催者側に責任を問いません」「大声を出して近隣住民の迷惑になることは行いません」などと書かれている。

か、書いちゃった・・・。

その後、お手洗いを済ませてタクシーへ。よろしくお願い致します。

この日は本社営業所から出発。「何かあったらすぐに飛んでいきますからねえ!!」とテンション高い瀧口さんに見送ってもらった。

何気ない風景を進むタクシー。

そして夜の日産スタジアムを通過。
ルートや場所などの詳しい詳細はネタバレになってしまうため、書くことができないが、環状2号線を抜けてどんどん人気のない道を走っていく。

車内では落合さんの怖い実体験を聞ける。

落合さんははじめこのツアーに大反対だったのだとか。「こういうことは軽い気持ちでやってはいけない。お客さんやドライバーに何かあったら責任とれないでしょう」と会議で主張したのだが「そんな心意気のある君だったら、お客さんの安全を守れるはず!!」と社長の口車に乗せられ、このツアーのドライバーになったのだそう。

雨も降ってきたし、外も殺風景だし、落合さんも不穏だしで、タクシーに乗っているだけでかなり雰囲気が味わえた。

走り始めて約15分、突然細い道へと入った。

人気のない道を突き当たったところに、ポツンと監視カメラが付いている。

監視カメラの先はほの暗いトンネルが。どうやらここで過去に男性サラリーマンが自殺しているそうで、多くの方が悲しげな男性の霊を目撃しているのだとか。

そんな、早く立ち去りたい場所で「歩いてみてください」とタクシーをおろされた。え?

い、行っちゃった・・・山岸と歩いてタクシーを追う。

が、この女、写真を撮っていて全然前に進まない。

淋しいトンネルに、淋しい女二人。

仕方ないから一人でダッシュしてタクシーに戻りました。「ちょっとー待ってよー」とトンネルに響く山岸の声。薄気味悪い・・・。

霊感ゼロな山崎(筆者)と山岸は特に何も感じなかったが、見る人が見るとここは相当いろいろいるそうで、だったらおろさないでほしかった!

再び乗車! カーブミラーに映る少女!?

再び乗車して道を行く。10分ほど乗車してたどり着いたのは、ほんっとに薄暗くて、住宅地予定地? 畑と空き地が連なる、何にもない場所。

二股の道で「左にはいかない方が良い」と突然つぶやく落合さん。

で、またタクシーをおろされる!

電灯もない道で「ここをまっすぐ行ってください。突き当りのカーブミラーに少女が映るといわれています」と落合さん。えぇ?

とりあえず進む。

真っ暗で蒸し暑くて、何の物音もしない、そんな環境の中でもなお「いや〜私全然いけると思うなあ」と山岸。はいはいそうですか、と話を聞いていると、前方の藪の中に人の影が。思わず「え?」と声をあげると、山岸、ふつーに手を握ってきました。なんだあんた!!(人影は目の錯覚だった)

件のカーブミラーを発見。映るときは映るそうです。

近くには民家があり、ご迷惑をかけてしまうため、カーブミラーのそばへ行くことはできなかったが、何気ない感じがリアルでぞわぞわした。

ちなみに、以前別の媒体の取材でこの場所に来た時、突然タクシーのカーナビが映らなくなり、修理に出してもなんの異常もみられなかったそう。

続いて、とあるラブホテルの廃墟へ

タクシーに戻り出発。無口になる山崎。

次に訪れたのは、かなりメジャーな心霊スポット、とあるラブホテルの廃墟。道路わきにタクシーを止めて、3人で歩いた。

そのラブホテルは突然廃業になった後に放置され、ホームレスや地元のヤンキーのたまり場になっていった。無法地帯となった建物の中で、悲しい事件が起き、以後頻繁に窓から人影が目撃されているとか。

と、突然、1階の窓が光った。切れかかった電灯のよう光を、山崎と山岸、はっきりと目撃した。「まずいな・・・」と落合さんも焦っているご様子。これって・・・

(何が起こったかはご想像におかませします)

そして最後の場所へ。

最後は本社営業所近くの某自動車修理工場。その事務所の2階はほとんど誰も立ち入らないという。「昔そこで誰かが××したんだってね。公にはされてないけど。何が起きるか詳しくは知らないけど、とにかくだれも立ち入らない。私も入ったことはありません」とのこと。

がらんと殺風景な工場に着いた。人がちらほらいたが、事務所に向かう私たちを見てびっくりした顔をしている。

と、懐中電灯を手渡される。

「私は上がりたくありませんから、お二人でどうぞ。足元にお気をつけて」とプレハブの建物の前でまたもやリリースされる。

写真を撮りつつ、階段を上がってみると…

盛り塩が……。

ドアを開ける気が一気に失せたが、思い切って引き戸をがらり。

室内は・・・それはもうおどろおどろしい感じだった。全部明かすことはできないが、むんと暑くてお線香のにおいがしていて、ちいさな灯りがちらちらとしている。躊躇する山崎をよそに、山岸は室内へと入っていく、が・・・

突然、山岸が「きゃあああああああああ!!」と大絶叫し、抱き付いてきた。
え、なに? ってかあっつ!!

今まで幾度も無理な依頼を突き付けられ、蓄積された鬱憤が一気に晴れた。参ったか山岸! 

何があったか、詳細はお伝えできないが、例えると、ラーメンを食べているときにふと器の中を見ると、編集部・小島の顔が麺の中に埋まっていた、という感じ。そんなの、ぎょっとしますよね。ちなみに山崎は不動でした。

この後は新横浜駅まで連れていってくださり、ツアー終了。最後に落合さんから浄化された塩をいただいた。

本当に怖くて楽しい1時間30分でした。落合さんはなんだか頼りがいがありました。ありがとうございました。

巷で噂の三和交通「タクシーで行く、心霊スポット巡礼ツアー」。タクシードライバーという、地域をよく知る方たちならではの、リアルに怖くて、でもちゃんと楽しい気分になれるツアーだった。普段と違ったタクシーの利用ができたのも新鮮だった。今後のイベントにも注目していきたい。

取材を終えて

帰ってからは特に何もなかった!
それから、大人の絶叫って生まれて初めて聞いたかもしれない!

ライター:山崎 島
※本記事は2015年7月の「はまれぽ」記事を再掲載したものです。