厳選!2歳馬情報局(2015年版)
■第10回:チェッキーノ

 全国10カ所に点在するJRAの競馬場。そのうち、"馬産地"の北海道には、函館競馬場と札幌競馬場のふたつがあり、毎年、夏季に競馬の開催が行なわれている。2015年は、6月20日から7月26日まで函館競馬場で開催され、8月1日から9月6日までは札幌競馬場に舞台を移して行なわれている。

「北海道シリーズ」として親しまれるこの開催は、名馬が数多くデビューしてきた舞台でもある。1994年に牡馬クラシック三冠(皐月賞、日本ダービー、菊花賞)を達成したナリタブライアン(函館/新馬2着)や、2001年の日本ダービー(東京・芝2400m)を制したジャングルポケット(札幌/新馬1着)など、翌年のクラシックで花開いた馬も少なくない。

 そして今年も、将来性豊かな馬たちが数多くスタンバイしている。そのうちの一頭が、チェッキーノ(牝2歳/父キングカメハメハ)だ。

 チェッキーノの母は、2003年のGIII京都牝馬S(京都・芝1600m)を勝ったハッピーパス(牝/父サンデーサイレンス)。同馬は、2001年のGI桜花賞(阪神・芝1600m)で4着に入るなど、牝馬クラシックでも奮闘した。

 ハッピーパスは、引退後に繁殖牝馬入り。これまでに5頭の産駒がデビューしている。その中には、重賞を2勝(札幌2歳S、東京スポーツ杯2歳S)し、2013年の皐月賞(中山・芝2000m)で3着となったコディーノ(牡/父キングカメハメハ)もいる。チェッキーノは、コディーノと父母が同じ「全妹」となる。

 そのチェッキーノは、ノーザンファーム早来(北海道)で育成が行なわれてきた。担当した日下和博氏は、育成期間に見せた同馬の成長に目を細める。

「育成を始めた頃は、ちょっと華奢(きゃしゃ)だったのですが、いい形で成長してきましたね。馬体重も、春の時点で460kg。想像していたとおりの進歩を見せてくれました。だんだんとよくなってきた印象で、あとはこのまま『(デビューまで)無事に行ってくれれば......』という思いです」

 スタッフにとって、理想的な成長曲線を描いたチェッキーノ。同馬はすでに札幌競馬場入りし、管理する藤沢和雄調教師(美浦トレセン)のもとで調教を積んでいる。今のところ、8月15日の2歳新馬(札幌・芝1500m)がデビュー戦となる予定だ。

 ハッピーパスの産駒は、デビュー戦から強さを見せるのが特徴でもある。これまでにデビューした5頭の産駒のうち、4頭が初戦で白星を収めているのだ。日下氏も、兄姉たちに続く順調なデビューを、チェッキーノに期待する。

「とにかく新馬戦を勝っている血統なので、まずはそこでがんばってもらいたいですね。そして、新馬戦のあとも、いいレースを見せてくれれば、と思います。まだまだ成長していけそうですしね。能力面では、ひとつ上の姉カービングパス(牝3歳/父ハービンジャー)より、スピードがありそうな雰囲気を持っています」

 デビュー勝ちの多いハッピーパス産駒だが、コディーノ以外の馬は、2勝目がなかなか遠かった。しかし、豊かな成長力を見せるチェッキーノなら、"奥の深さ"を持ち合わせ、レースを経験するごとに上積みが見込めそうだ。

 何はともあれ、デビューを間近に控えたチェッキーノ。まずは兄姉らと同様、初陣を飾ることができるのか、注目される。

河合力●文 text by Kawai Chikara