(写真)厚木基地上空を飛行する米軍のMH60M特殊作戦ヘリ=25日(大和市平和委員会提供)

写真拡大


 21日に静岡県小山町で機関銃の空包3発を中学校のテニスコートに落とした米軍ヘリコプターは、米海軍厚木基地(神奈川県大和、綾瀬両市)を拠点に東富士演習場(静岡県)で特殊作戦部隊の強襲作戦訓練をしていた可能性があることが、28日までにわかりました。

部隊名公表せず

 厚木基地の監視活動を続けている大和市平和委員会によると、20日から25日にかけて、米陸軍の特殊作戦ヘリコプターMH60Mブラックホーク3機が展開。機体の通し番号などから、同機は米ワシントン州ルイス・マコード統合基地の陸軍第160特殊作戦航空連隊第4大隊(通称「ナイト・ストーカーズ」)のヘリコプターでした。

 事故当日を含む期間中、厚木基地上空では、同ヘリが側面のドアを全開にし、左右3人ずつ機外に足を投げ出して座る兵士を乗せて飛行している様子を、同平和委員会が確認しました。

 ルイス・マコード統合基地には、強襲作戦を実施する陸軍第75レンジャー連隊第2大隊、第1特殊部隊群も駐屯しています。

 自衛隊から東富士演習場周辺自治体への通報では、訓練は20日〜25日の各日午前7時〜午後10時、米軍ヘリ4〜5機が演習場全域で空てい降下を含む離着陸訓練を実施。19日〜25日には演習場全域で地上部隊が一般訓練をし、各日午前5時〜午後11時に空包を使用することになっていました。

 空包落下について、在日米陸軍司令部は、「米陸軍所属のヘリコプター」だったとした以外、部隊名、訓練内容などを公表していません。

解説

拠点化進む首都圏

 厚木基地を拠点に、米陸軍特殊作戦部隊が強襲作戦訓練を実施していたとみられる問題は、国民に知らされないまま、首都圏の在日米軍基地や周辺の演習場が、米軍の特殊部隊の訓練拠点とされている実態を改めて示しました。

 今回、厚木基地に展開した「ナイト・ストーカーズ」は、1993年のソマリアでの武装勢力幹部拉致作戦や、2011年のパキスタンでのビンラディン暗殺作戦などの強襲作戦に投入された米陸軍の精鋭部隊です。

 陸上自衛隊東富士演習場(静岡県)は、富士山麓の山岳地帯や市街地戦闘訓練施設での訓練など、米特殊作戦部隊の訓練に必要な条件がそろっています。

 昨年9月にも、沖縄駐留の米陸軍第1特殊部隊群第1大隊「グリーンベレー」が、横田基地(東京都)所属のC130輸送機を使い、東富士演習場でパラシュート降下訓練と山岳地帯での行動訓練を実施しています。

 (佐藤つよし)