「反対が多いのは承知している。しかし、わが国にとって意義あるもの。ていねいに説明責任を果たしたい」

 どこかで聞いたようなフレーズを、下村博文文科相や遠藤利明五輪担当相は、答弁の中で繰り返しました。14日、参院内閣・文教科学委員会の連合審査会でのことです。

 しかしなぜ、工費の膨張がもっと早い段階で分からなかったのか。どう財源をまかなうつもりなのか。なぜ、ザハ・ハディド氏の案の見直しに踏み切らないのか。

 いくつもの「なぜ」に、ほとんど説得的な説明がないままでした。

 文科相らは2520億円という、ばく大な総工費の現行案を押し通す答弁を繰り返しました。

 「その中で創意、工夫をしていきたい」「税金とは別に財源を求めることで批判に応えられる」としていましたが、そんなことで、批判が収まるとはとても思えません。

 この日の質問の中では、日本共産党の田村智子参院議員も含め、多くの議員が「2019年のラグビーワールドカップ(W杯)の会場を移してでも、見直しをすすめるべき」だと声をそろえました。

 背景にあるのは、現行案では、ラグビーW杯に建設が間に合わない可能性が大きい、という専門家の指摘です。

 さらに、建築家の槇文彦さんらの対案も含めて、しっかりと検討すべきだということも大きい。

 ラグビーW杯に関していえば、現在、開催会場の一つとなっている横浜国際総合競技場は、代替施設になり得ます。過去にもニュージーランドでW杯の開催競技場の変更があったことも指摘されています。

 このままぼう大な建設費を投じ、その後も、けた外れの修繕費の多くが、国民の肩にのしかかることを考えれば、それはある意味、当然のことです。

 文科相や五輪相は「国民の反対が多いことを受けとめる」といいます。もし、本当にそうであるなら、現行案の抜本見直し以外に道はありません。

 (和泉民郎)