厳選!2歳馬情報局(2015年版)
【第7回:リライアブルエース】

 6月6日からスタートした、今年の2歳戦線。この世代の馬たちが「大目標」とする、来春のGI日本ダービー(東京・芝2400m)を迎えるのは、まだまだ先の話だ。にもかかわらず、すでにそこに照準を合わせて、着々と準備を進めている素質馬たちがいる。

 その一頭が、リライアブルエース(牡2歳/父ディープインパクト)だ。

 今年の2歳馬の中でも、とりわけ早くから注目を浴びてきた逸材で、父は言わずと知れた三冠馬(皐月賞、ダービー、菊花賞)のディープインパクト。種牡馬となってからも、リーディングサイヤーの地位をずっと保持している。また、母も現役時代にアメリカのGI戦線で奮闘し(1勝2着1回)、トップクラスの牝馬だったゴールデンドックエー。まさに日本とアメリカを股にかけた良血馬と言える。

 リライアブルエースの注目度が高かったのは、そうした血統背景だけではない。育成段階から目を見張る動きを見せていたことが大きい。育成を担当したノーザンファーム空港牧場の大木誠司氏も、同馬のことを高く評価し、今春の段階で次のような印象を述べていた。

「リライアブルエースは、とても柔らかくて、きれいな走りをする馬ですね。非常に楽しみな存在です。デビューを急ぐ必要はないので、(来春の)ダービーに照準を合わせて調整を進めたいですね。そのくらいの素質を感じています」

 2歳の春先から、「ダービーに照準を合わせて」とコメントされていたリライアブルエース。その後も順調に育成されてきたようで、入厩する時期も近づいているという。

 入厩後、同馬を管理するのは、クラシックの活躍馬を多数輩出してきた矢作芳人厩舎(栗東トレセン/滋賀県)。矢作厩舎は、2012年にディープブリランテでダービーを制覇し、今春もリアルスティール(牡3歳)がクラシックで話題を振りまいた。GI皐月賞(中山・芝2000m)で2着、ダービーは4着と、勝利にはあと一歩及ばなかったものの、名門厩舎として存在感を示している。

 そんな矢作調教師が、「今年の2歳世代における厩舎のエース」と意気込んでいるのが、リライアブルエースである。こうした評判も、同馬への注目が日に日に増していった要因だろう。

 また、リライアブルエースのひとつ上には、全兄のアルバートドック(牡3歳/父ディープインパクト)がいる。この馬も、今春のダービー出走を目指していたが、前哨戦のGII京都新聞杯(京都・芝2200m)で惜しくも3着。出走条件をクリアする賞金を加算できず、目標は果たせなかったものの、ダービーの前日に行なわれたオープンクラスの白百合S(京都・芝1800m)では、きっちり快勝して3勝目を挙げた。こうして、兄がそれなりの結果を残していることも、リライアブルエースにとっては心強い材料となっている。

 ちなみに、兄のアルバートドックは、今年3月に芝2400mのレースで勝利。長距離戦での強さを見せていた。前出の大木氏によれば、弟のリライアブルエースもその点は共通しているという。

「リライアブルエースは、長い距離のほうが向いていると思いますね。少し力みやすいところはありますが、本質的には長距離馬ではないでしょうか。課題として挙げられるのは、そういった力みやすいところくらいで、とにかくいい馬ですから。期待したいです」

 育成スタッフ、そして管理する調教師が、走る前からすでに絶賛しているリライアブルエース。"頼りになるエース"という名のとおり、来春の舞台で輝くことができるか。その動向から目が離せない。

河合力●文 text by Kawai Chikara