ルフィが仲間を誘う行為は違法なの!?――弁護士に聞くナンパや勧誘の注意点

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「おれ達の命くらい一緒に賭けてみろ!!! 仲間だろうが!!!」――国民的人気漫画“ONE PIECE”。主人公のルフィが仲間を集めながら冒険を繰り広げ、海賊王を目指すというストーリーであるが、戦いのシーンのみならず、新しい登場人物が次第に本当の仲間になっていくときにも、感動的なシーンが多い。
特に有名なのは、主要キャラクターであるチョッパーが仲間になる場面。これは「ワンピース THE MOVIE エピソード オブ チョッパー プラス 冬に咲く、奇跡の桜」というタイトルで1本の映画になっているほどファンの間で根強い人気がある。
教えて!goo」にも、「チョッパーが仲間になったドラム島編での1番の名シーンってどこだと思いますか?」といった質問まで寄せられている。

■海賊旗のシーン?それとも桜?

この質問に対し、みんなそれぞれのイチオシのシーンを、次のように思いを込めて答えてくれている。(※見ていない方は、ネタバレが含まれるので注意)

「ワポルが、チョッパー達が城の上に掲げていた海賊旗を撃ったコマの後に、ルフィが煙の中、折れた旗を持っているコマがあったと思います。台詞もなかったと思いますが、あのコマが1番好きです」(asaraさん)

「チョッパーが、みんなを乗せてツナを渡って、城を出て行くシーン」(mi-dogさん)

「チョッパーに、くれはが、技術がないと云々のところかなぁ」(anzuppaさん)

「やっぱり最後のDr.ヒルルクの桜の場面ではないでしょうか」(nagishihoさん)

こうして見ると、いずれも外せない名シーンばかりである。だが、もう1つ、このチョッパーのストーリーの中で、最重要とも言えるシーンを挙げておきたい。それは、一緒に海賊となって島を出ることをあれこれ理由をつけて断るチョッパーに、ルフィが次の言葉を叫ぶシーンである。

「うるせェ!!! いこう!!!!」

この瞬間、チョッパーの心はすでにルフィたちの仲間になっていたと言っても過言ではない。

■しつこい勧誘の場合はアウトだが

こうした名シーンを生み出すルフィの仲間集めであるが、ルフィが新しい登場人物を仲間に誘うときは結構唐突な印象が強く、周りが面食らってしまうような場合があったり、また、ゾロの時などは多少脅迫に近かったような気もする……。
そう言えば、チョッパーの時もかなりしつこかったのは間違いないだろう。現代社会でもナンパやスカウトが法に触れる場合があるそうだが、ルフィの仲間集めの方法は、果たして今の時代でも通用するものなのだろうか? 京阪藤和法律事務所の中島宏樹弁護士に伺った。

「街中などで声をかける行為自体は、基本的には、法律や条例に触れることはありません。ただし、相手が嫌がっているにもかかわらず執拗に付きまとったり、進路を防いだりした場合には、軽犯罪法あるいは、都道府県単位で制定されている迷惑防止条例に触れる恐れがあります」

なるほど、ではチョッパーの場合も、最初に声かけした時点では法に触れないが、隠れているチョッパーを大声で探し回ったりして仲間に誘うのは、軽犯罪法あるいは迷惑防止条例に触れる可能性が多分にあるということになる。ただ、今回はナンパなどではなく、あくまで仲間集めであるが、この辺りはどう判断されるのだろうか。

「客引きやスカウトを行う場合には、風営法や、都道府県単位で制定されている迷惑防止条例に触れる恐れがあります。それらに加え、昨今は、各地において公共の場所における客引き行為等の防止に関する条例が制定されるなどしており、確認が必要となります」

海賊が風営法に該当するかどうかは定かではないが、船員は客ではないので客引きには該当しないだろう。しかし、スカウトという意味では完全にルフィの行為は該当してしまうことになる。新しい条例も各地で制定されているとのことなので、今後の航海では、立ち寄る島ごとの条例を確認していく必要がありそうだ。

さあ、そうなると、チョッパーに対するルフィのしつこい勧誘は、やはり法に触れてしまうのだろうか、ルフィはチョッパーの進路を防いだのだろうか?

答えは否である。なぜなら、チョッパーは本当は海賊になって一緒に航海に出たかった。しかし、過去に人間からも動物からも迫害されてきた彼の古い心の傷が、仲間となって一緒に旅をすることに深いわだかまりを生じさせていたのである。
ルフィのこの言葉は、チョッパーの前に立ちはだかる強固なわだかまりを、見事なまでに粉砕してくれた。

「うるせェ!!! いこう!!!!」

従って、チョッパーに対するルフィの勧誘の方法は、法令の立法趣旨や制定趣旨に照らして考えれば、法に触れないと言えそうだ。

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