マーリンズでプレーするイチローから笑顔が絶えない理由

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イチローを評価する球団


 マーリンズがイチローとの契約延長を検討していることがわかった。ダン・ジェニングス監督が17日(日本時間18日)のヤンキース戦の試合前会見で「球団内で話し合いがなされている」と明かしたもので、あらためてマーリンズの背番号51に対する評価の高さが鮮明になった格好だ。

 今季年俸200万ドルのイチローとマーリンズの契約は1年。
 シーズン折り返しを前に?第4の外野手?である41歳のベテランへ再契約の方向性を示すのは異例のことと言っていいだろう。

 ここまで控え扱いではありながらも外野の全ポジションで出場し、走好守にわたって技術の高さを見せ続けている。球団側がイチローを評価するのはまだまだ健在のハイレベルなプレー面もさることながら、平均年齢27歳の若いチームメイトにとって存在自体が良きお手本となっていることも大きなポイントとしてある。

 それはマーリンズの試合前の練習風景を見ていても、よくわかる。
 たとえてクローズアップするならば、フリー打撃のシーン。イチローが打撃ケージに入ろうとすると、早々と入場したスタンドのファンだけではなく周りにいる自軍選手のほとんども釘付けになる。

 芸術的なスイングはもちろん、そこに至るまでのアプローチもそうだ。
 いかにしてバットを握り、構え、ボールをミートするか――。ジッと見入るチームメイトたちにとって、こうしたイチローのひとつひとつの動きは教科書のようなものなのであろう。マイアミの地元メディアの間で掛け値なしに「イチロー・イズ・ロールモデル」と評されていることが、とてもよくわかる光景と言える。

マーリンズはイチローにとって心地いい場所


 リーグ首位打者争いを繰り広げている同僚のディー・ゴードンや、本塁打・打点で現在リーグトップのジャンカルロ・スタントンら主力たちもイチローに心酔している。

 18日(同19日)に行われた敵地ヤンキース戦試合前のフリー打撃の際にイチローがケージの外で自分の打つ番を待っている間、ゴードンとスタントンから同時に話しかけられる光景が見られた。
 ゴードンとスタントンの?こうやって打つんだよね??というようなバットスイングを真似るような動きから察するに2人がイチローに対して打撃のアドバイスを求めていたのは間違いない。

 ここでイチローが嫌な顔を見せることもなく身振り手ぶりを交えながら懇切丁寧に答えている様子は、とても印象的であった。

 早くから入場してスタンドに陣取っていたオールド・タイマー(古参)のファンからは、昨季までヤンキースに2年半在籍していた天才バットマンのこうした姿を見て「イチロー、なんて楽しそうなんだ!」との声も飛んでいた。

 その見立ては当たっていると思う。
 一挙一動を見逃すまいと周囲から常に視線を向けられ、時には若い選手から質問攻めにも合うイチローの表情も実にいいのだ。時折白い歯を見せながら、何か開放感に満ち溢れているかのような清々しさを感じさせている。チームの成績不振で途中解任された前指揮官に代わって5月末、新たに就任した前球団GMのジェニングス監督との関係も良好のようだ。練習中も新監督とイチローがどちらからともなく歩み寄り、談笑するのは今やマーリンズのお決まりの場景となっている。

 マリナーズでさまざまな重圧と戦いながらも伝説を築き上げ、ヤンキースでは伝統球団の一員として身を粉にしながらプレーしたイチロー。

 そんな偉大なる天才バットマンは現在、新天地のマーリンズで多くのチームメイト、そして監督らスタッフからスーパー・レジェンドとして尊敬の念を抱かれ、プレーを続けている。周りの若い選手たちが自らの一挙一動から多くを学び?遺伝子?を受け継ごうとする姿はイチローにとっても喜ばしいことであり、きっと心地いいに違いない。

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