坂本真綾と黄瀬和哉監督

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 攻殻機動隊結成前夜をテーマに、2013年6月から順次劇場上映された「攻殻機動隊ARISE」シリーズ。そして、部隊が結成されて挑む初めての事件を描いた最新作「攻殻機動隊 新劇場版」が、ついに完成。主人公・草薙素子隠された出生の秘密と、彼女が率いる公安9課(通称:攻殻機動隊)の成長を描く同シリーズが、ひとつのクライマックスを迎えようとするなか、総監督・キャラクターデザインを務める黄瀬和哉、素子役の坂本真綾が都内で取材に応じた。「攻殻」のハリウッド実写化についても、思いを語っている。

 「素子といえば、非の打ちどころがない女性という印象ですが、ARISEの素子は未熟で不完全。過去を演じる難しさがある分、やりがいもありましたし、新劇場版では指示出しのセリフが増えて、良きボスになりつつある姿もお見せできる」とシリーズを通した素子の成長を語る坂本。黄瀬総監督は「裏テーマは青春と卒業、かな? その先の世界の広がりを感じさせる新劇場版が、初めて『攻殻』を知るきっかけになれば」とアピールする。

 原作者・士郎正宗氏の「攻殻機動隊」連載25周年を記念し製作された本作。“起動”から四半世紀を経てもなお、人々を魅了する理由とは。「何度見ても、すべてを完全には理解しきれないところがいいんだと思いますね」(黄瀬総監督)、「人間を電脳化するなんて、怖いなって思わせると同時に、『今よりもっと』という気持ちを刺激する。それに黄瀬さんがおっしゃる通り、説明し過ぎない余白の美学がある。とても日本的だと思います」(坂本)。

 「攻殻」の魅力が日本的な余白だとすれば、気になるのはスカーレット・ヨハンソン主演でハリウッドが企画を進める実写化だ。黄瀬総監督は「僕らがARISEや新劇場版を作っている背後で、大人たちが何やら画策していた(笑)」と明かし、「まず気になったのは、ファンの皆さんの反応ですね。とにかく面白い作品になっていることを祈るだけ。多少のアレンジがあったほうが、しっくりくるのでは」と不安と期待が入りまじった表情だ。

 坂本も「ハリウッドで日本的な設定や世界観をどこまで残せるのか、難しさはあると思います」と想像がつかない様子。それでも「新しい作品として楽しめればいいのかなって。私が日本語吹き替え? そうですね、スカーレット・ヨハンソンの声は2回くらいあてたことがあります」と瞳を輝かせていた。

 「攻殻機動隊 新劇場版」は6月20日から全国公開。