「この作品が自分の名刺になる」と太鼓判

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 ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」(14)で上戸彩演じる主人公と不倫の恋に落ちる高校教師を演じ、女性ファンから熱烈な支持を集める斎藤工を主演に、実写版「進撃の巨人」の特殊造型プロデューサー、西村喜廣がメガホンをとったアクションエンタテインメント「虎影」が、6月20日に公開を迎える。「今が旬の才能ふたりによるコラボ作」という紹介の仕方は決して的外れではないが、その根底には、約10年にわたる揺るぎない信頼関係があった。

 「全てのタイミングが必然な気がするんです」と斎藤は言う。2001年に俳優デビューを果たしながらも、「無力でしかなかった。俳優としてのニーズがない状況は、存在しているのかいないのか分からないくらい不安だった」と振り返る。長い下積み時代に、自身が関わる作品への出演を打診してきたのは西村監督だった。

 園子温監督作や井口昇監督作ほか、数々の作品で特殊造型を務めてきた西村監督は、日本におけるこの分野の第一人者的存在で、08年の残虐描写が満載の初監督作「東京残酷警察」は、世界各国のファンタスティック系映画祭で高く評価。今や海外から熱い視線が注がれる鬼才だ。「監督の生み出すもの、造型物、センスがものすごくいいなってことは大前提としてあるんですけど、でもそれ以上に人を本当に大事にされる方なんです」と語る斎藤とのコラボレーションは、すでに10作品近く。その“恩師”である西村監督のメガホンで初の主演を務めたのが、今作「虎影」だ。

 かつて最強と呼ばれた、斎藤扮する忍者・虎影が、愛する者を守るために身を投じる壮絶な財宝争奪バトルロイヤルが、アクション、ホラー、コメディ、ヒューマンドラマのごった煮感覚満載の世界観で過激に描かれる。

 斎藤は、虎影というキャラクターを「土の匂いがする男。それはどこか西村さん本人であって、それと同時に、監督が僕の中に見出してくださっている土っぽさ、パブリックイメージとは反する僕の本質でもあります」と表する。その「パブリックイメージ」とは、もちろん「昼顔」によって世間に浸透した“セクシー”なイメージを指すが、「自分の名前が、この作品に興味を持ってもらえるきっかけになれば、それは俳優の務めをまっとうできた気がしますね」というしたたかさも見せる。劇中では本格的なソードアクションも披露し、セクシーな俳優としての姿しか知らない観客は、相当驚くに違いない。

 カルト的人気を誇っていた西村監督作にスポットが当たり、自身がドラマで人気を博す状況に「メジャーとマイナー、主流と亜流がゆっくりだけど確実に回ってきている風潮を強く感じます」と言う斎藤は、「綾野剛とは同学年なんですけど、お互い以前から知っていて、2年前の大河ドラマ『八重の桜』で久々に共演したときに、『僕らが、大河ドラマでこういう関係性で芝居するってすごいよね』って話しました。現場で周りを見たら、西島秀俊さんやオダギリジョーさんがいる。すごく時代の変化を感じたんです。でもこれもさらに回っていく。ずっとこういう状態であるわけがないからって、そういう会話をすごく覚えています」と振り返る。

 そして、「西村さんが目指したのは娯楽、見世物小屋って言っているものなので、(自分の存在に)だまされてでも見に来ていただきたいんです。(世界の映画祭を意識した映画だけに)世界の戦い方が提示されていると思うんです。外から見られた日本の強さ、目を向けられることを『虎影』から感じ取っていただけるんじゃないかと思います」と期待を明かした。

 「虎影」は、6月20日から全国公開。