ラマダン(断食期間)のイスラム諸国でのマナーについて
イスラム教において、日の出から日没の間に断食を行う神聖なる月「ラマダン」が、2015年は6月18日より1か月にわたり開始される(ヒジュラ暦9月にあたり、太陽暦とは毎年11日ずれていく)。そこで、医療とトラベルセキュリティアシスタンスサービスを全世界の会員企業に提供するインターナショナルSOSは、イスラム諸国への渡航者に向けてのアドバイスを発表した。
ラマダン中に現地に滞在する人は事前に法律や習慣を確認し、断食を行う人に配慮しながら過ごそう。
■東南時アジアの該当国:ブルネイ、マレーシア(一部除く)、インドネシア(一部除く)、シンガポールの一部 (※その他の国に暮らす人でもイスラム教徒の人は該当します)
人前では飲食や喫煙は避けよう
ほとんどのイスラム諸国では、断食時間中の人前での飲食や喫煙は不作法と見なされ、これは、公共交通機関と自家用車による移動中にも当てはまる。信教に関わらずすべての人への義務としている国も多いので注意が必要だ。多くのホテルでは、イスラム教徒以外の訪問者向けに、ルームサービスや仕切られた飲食エリアを提供しているので利用するのもおすすめだ。また、レストランやカフェは日中は閉店となる国もあるのでこちらも事前に確認をしておこう。
適切な服装をしよう
ラマダンの神聖月はイスラム教徒にとって、敬虔、質素、節制の時期。渡航者は、ラマダンに従う人に配慮して、肌の露出の多い服装は避けなければならない。これは、ショッピングモール、ホテル、レストランを訪れる場合や、夕方のマーケットを訪れるときは特に重要。原則として、「透ける服」、「短すぎる服」、「襟ぐりが深い服」、「股上が浅い服」、「体のラインが出る服(特にショートパンツ、ミニスカート、ノースリーブ)」は避けた服装を選ぼう。
職場のエチケットに配慮する
ラマダン中は多くの国で労働時間が短縮されるため、渡航者は短い業務時間を理解し観光するようにしよう。また、ビジネスの際、イスラム教徒との商談は、相手が疲れておらず集中できる午前中に予定するのが最適。予定より長引かせないなど、断食を行う人に配慮するよう心がけよう。
また、先に紹介したように、昼食を取りながらの商談は避けよう。密室であれば、イスラム教徒以外の人は飲食可能だが、オフィスの離れた場所で飲食するなどし、断食している人の前では飲食しないのが礼儀。断食中のイスラム教徒から軽食が提供された場合もお断りするようにしよう。
レストランや観光施設などの営業時間を確認しておこう
多くのイスラム諸国では、ラマダン中断のための帰宅により、日没前の時間に交通量が多くなる。ラマダンによる低血糖は、運転中の能力や集中力に著しい影響を与えるおそれがあり、この時間帯の事故率が最も高くなるため、移動は避けたほうがベター。
また、ほとんどのレストランはイフタール(日没後の食事)の給仕で忙しくなるため、この時間帯の夕食も避けよう。娯楽施設では、ライブ音楽は禁止され、ダンスクラブは休業となり、バーは禁酒となる場所が多い。通常、夕方はショッピング・モールが非常に混雑する。
その他
人前での愛情表現、大きな音で音楽を聴くこと、ガムを噛むことは避けよう。イフタール中にレストランでアルコールや豚肉を注文するのもNGなので覚えておこう。
ラマダンの詳しい情報はこちら
「断食」月間に行く、東南アジア旅行!> (http://tripping.jp/asean/5305)
その他のラマダンに関する情報はこちら> (http://tripping.jp/tag/%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%80%E3%83%B3)
参照元:ラマダン期間中のイスラム諸国への渡航者に向けた注意事項 (http://www.internationalsos.co.jp/)