バケモノと少年の師弟関係や親子の絆を描く

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 細田守監督が約3年ぶりに製作したオリジナル長編アニメーション「バケモノの子」の完成披露会見が6月15日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われ、細田監督をはじめ声優を務めた役所広司、宮崎あおい、染谷将太、広瀬すず、リリー・フランキー、大泉洋、齋藤優一郎プロデューサーが出席した。

 東京・渋谷の街と、バケモノたちが住む「渋天街」を交錯させながら、バケモノと少年の師弟関係や親子の絆を描く。細田監督は、「スタッフ・キャスト、考え得るすごいメンツがそろい、この夏の映画を作れるという幸せを噛みしめております」と感無量の面持ち。過去作はすべて夏休みに公開されており、その理由を「夏休みにアニメ映画を見るということは、子どもにとってすごく重要なことだと思う。自分自身も子ども時代の思い出のひとつとして、その時に見た作品が面白かっただけでなく、夏を彩る作品でした。自分が作る側になった時に、夏の思い出を映画で彩ってあげたいという気持ちで作っています」と明かしていた。

 「時をかける少女」「おおかみこどもの雨と雪」などで知られる細田監督は、フリーランスへ転向してから今年で10年を数える。「原画でも、こんな人たちがひとつの場所に結集するのかというほどぜいたくな布陣。恵まれすぎじゃないかと思ったくらい」といい、「『時をかける少女』が、新宿の片隅で上映している時からの連続性(スタッフとの関係性)が今につながっていると思うので、すごくありがたい、幸運だなと思います」と謝辞を述べた。今や世界的なアニメ作家となり、“ポスト宮崎駿”とも目されているが、「子どものころ、当然あこがれの監督でした。1986年の夏、『ラピュタ』をその瞬間見たということも、大きな思い出のひとつです」と敬意を示していた。

 キャスト陣には、「本作を鑑賞した感想は?」との質問が。主人公のバケモノ・熊徹役の役所は「あっという間の2時間弱。それくらい、画面に引き込まれました。大人と子どもが素晴らしく豊かに描かれていて、涙を誘われるシーンもいくつかありました」と大満足の様子だった。

 さらに熊徹の弟子となる少年期の九太を演じた宮崎は、「見始めてからしばらくは緊張しながら見ていました。でも途中で染谷君にバトンタッチするので、それからはすごくリラックスして見られました」とニッコリ。それに対し、九太の青年期を担当した染谷は「少年期まではすごく安心して、いい映画だなと見ていました。声変わりしてからは、ちょっと不安で……」と苦笑しきりだった。また、人間界での九太の師匠でもあるヒロイン・楓役で声優初挑戦となった広瀬は、「あまり緊張しないタイプなんですけど、アフレコの時は3年間お仕事をしてきて、一番緊張しました」と初々しい表情で振り返った。

 今作は、老舗配給会社ゴーモン社がインターナショナルセールスを行うことが決定しているが、この日はフランスをはじめアメリカ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペインなど、世界36の国と地域で配給されることが発表された。「バケモノの子」は、日本では7月11日、フランスでは2016年1月13日から公開。