厳選!2歳馬情報局(2015年版)
【第3回:テオドール】

 6月6日からスタートした2歳の新馬戦。この時期にデビューする若駒の中には、早い段階から素質を見せて、順調に成長してきた"期待馬"も多い。

 テオドール(牡2歳/父ハービンジャー)も、その一頭。同馬は、6月27日の2歳新馬(東京・芝1800m)でデビューする予定だ。

 テオドールの育成を行なったのは、ノーザンファーム早来(北海道)。幾多の名馬を輩出してきたこの名門においても、テオドールは高い評価を受けてきた。担当した森下政治氏が、同馬の印象を語る。

「この馬はいいですね。動きがすごくいいんです。跳びが大きくて柔らかく、スピードの持続力に秀でているタイプだと思いますよ。成長しながら順調にメニューを消化してきましたし、かなり乗り込んでいます。楽しみな一頭で、期待は高いですね」

 テオドールの母は、2004年のGI阪神ジュベナイルフィリーズ(阪神・芝1600m)で僅差の2着となったアンブロワーズ。同馬は、夏の函館でデビュー勝ちを決めて、続くGIII函館2歳S(函館・芝1200m)を優勝。その勢いで、「2歳女王」のタイトルにあとわずかのところまで迫った。
 
 現役を引退し、繁殖牝馬となってからは、これまでに3頭の子がデビュー。まだGI戦線を賑わすような活躍馬は出ていないが、その中でテオドールは、他のアンブロワーズ産駒とはひと味違う雰囲気を見せているようだ。森下氏が続ける。

「今までの母の産駒とは、タイプが違うと思いますね。ここまでもかなり順調にきていますが、上の子たちと違って、さらに奥がありそうです。距離も、2000mくらいまでこなせるのではないでしょうか」

 これまでデビューしたアンブロワーズの子は、いずれも1600m以下の短距離に良績が集中している。アンブロワーズ自身も、勝ち星はすべて1600m以下のレースだ。が、テオドールは、2000mの中距離までこなせそうな気配を見せている。実際、デビュー戦の舞台は1800m戦を選択。もしそこで結果を出せば、母の産駒の中でも、"異色"の活躍を望めるかもしれない。

 ともあれ、テオドールは4月24日に美浦トレーニングセンター(茨城県)へと移動。所属する国枝栄厩舎で精力的に調教を行なってきた。デビューに必要なゲート試験では何度か落ちてしまい、初陣は後ろにずれ込んでしまったが、それでもこの時期にデビューできるのだから、順調度は高いと言えそうだ。

 早くから目を引く動きを見せてきたテオドール。そこで感じさせた素質をレースで発揮できれば、早々に世代の中心的な存在となるだろう。

 まだ見ぬ大舞台を目指して、大牧場期待のテオドールがいよいよ初戦を迎える。

河合力●文 text by Kawai Chikara