イベントに参加した(左から)ろくでなし子、松江哲明監督

写真拡大

 女性器をモチーフにしたアートで物議を醸し、女性器の3Dデータを出資者に送信したことで逮捕され、現在も公判中の漫画家、ろくでなし子が、6月14日、新宿シネマカリテで行われたドキュメンタリー映画「最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション」のトークイベントにドキュメンタリー映画監督の松江哲明とともに出席した。

 男性器に魅せられ、40年にわたって哺乳類のペニスを収集し、アイスランドにある世界で唯一の「ペニス博物館」の館主を務めるシグルズル・“シッギ”・ヒャールタルソン。そんな彼が、死ぬ前にかなえたい夢として同館に展示するためのヒトのペニスを探すさまを追いかける。

 ろくでなし子は、この日のトークでも放送禁止用語を連発しつつ、ペニスの収集に異様な情熱を燃やす人々について「最初はみんなバカにしていたけど、次第に熱意に打たれていく。テーマはどうあれ、本気さが胸を打つんです。私もマ○コ(女性器の呼称)アートをやり始めたころは石を投げつけられたけど、最近は認めてくれる人が出てきた。情熱が人を動かすのでは?」とみずからの活動と重ねて共感を口にした。

 続いて、松江は映画を見て「この映画はアットホームでほほ笑ましささえあるけれど、チ○コ(男性器の呼称)であればこうなるのに、ろくでなし子さんの活動のように、マ○コとなるとなぜ(社会の反応が)そうなってしまうのか? 日本でろくでなし子さんの活動について、こうやって映画にできるのか? と考えさせられた」と語った。

 ろくでなし子は自身の「タブーを破った」といわれる活動について「そもそもタブーと思っていない」と語った。「空気を読まずに生きてきたらこうなった。『マ○コ』と言ってはなぜいけないのか? マ○コだけなぜダメなのか? というのを掘り下げているだけで、決してマ○コが大好きなわけではない」と自身のスタンスについて言及した。

 松江は「自分を主語にして何かをやる人は空気を読めないで鈍い方がいい。『なぜ?』という疑問が表現になるのは素晴らしいこと」と、映画の主人公たちやろくでなし子の姿勢を称賛。「極端さっていうのは社会のバロメーターになる。ろくでなし子さんの一連の事件を見てると、SF映画のようで(社会の反応が)怖い。みんなが眉をひそめることはチャンス」とも語った。ろくでなし子はその言葉に「私自身、予想外のことに反応することを楽しんでいる。弁護士に怒られちゃうけど、裁判とかすごく楽しい」と本音をのぞかせ、会場を沸かせていた。

 「最後の1本 ペニス博物館の珍コレクション」は青山シアターにてオンライン上映中(6月26日まで)。劇場では8月8日から全国公開。