塚本晋也監督と大林宣彦監督

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 念願の企画であった映画『野火』(7月25日公開)の公開が迫る塚本晋也監督と、「尾道三部作」などで知られる大林宣彦監督。自主映画をルーツとする二人の映像作家が、広島県尾道市の「シネマ尾道」で、戦争と平和をテーマにしたトークショーを行う。

 『野火』は、作家・大岡昇平の戦争文学を『鉄男 TETSUO』『KOTOKO』などの塚本監督が映画化した戦争ドラマ。第2次世界大戦末期のフィリピン・レイテ島を舞台に、肺病のため部隊を追われた一人の兵士が、雄大な自然の中で目の当たりにした、過酷な戦争の現実を描き出す。

 7月11日に行われる対談は、近年、『この空の花 長岡花火物語』『野のなななのか』など反戦をテーマに作品を発表している大林監督と塚本監督が、反戦、平和の尊さ、映画について語り合うもの。2度の対談と舞台あいさつを予定しており、当日は『野火』のほか『野のなななのか』の上映も予定されている。

 『野火』の公開に際して、「いろいろな方法で、なるべく全部の映画館を回る心づもりでいます」という塚本監督は、広島での上映に「とても意義深いことだと思います」とコメント。「また映画作家として大先輩でもあり、戦争のことを強いご意志で描かれている大林宣彦監督のお話を、まさにこの広島でうかがえるのは、これ以上ない大事な時間になるはずです」と語っている。(編集部・入倉功一)

戦後70年&『野火』公開特別企画「塚本晋也監督×大林宣彦監督2大映画作家対談in尾道〜次代へ伝える戦争と平和〜」は7月11日「シネマ尾道」で開催
映画『野火』は7月25日より全国公開